日本文理・飯塚4戦連続完投!計548球
「全国高校野球・準々決勝、日本文理5-1聖光学院」(22日、甲子園)
準々決勝4試合が行われ、日本文理(新潟)のエース飯塚悟史投手(3年)が4試合連続で完投し、聖光学院(福島)を5‐1で下して準優勝した09年以来の4強入りを果たした。準決勝は三重‐日本文理、大阪桐蔭‐敦賀気比の顔合わせで、23日の休養日を挟んで24日に行われる。
鉄腕が新たな一面を見せた。日本文理の飯塚は10安打を浴び、六回と九回以外は得点圏に走者を背負う苦しい展開も、1失点完投。「メリハリのある投球ができた。成長できたと思う」と充実感をにじませた。
初回に同点打を許した。しかし、粘り強い投球で、二回以降は本塁を踏ませなかった。「難しいボールをカットしてきて、三振は厳しいと分かった」と、打たせて取る投球にシフト。奪三振1という数字が逆に、飯塚のすごみを際立たせる。
前日の富山商戦は、3‐1の八回に4失点し、逆転負けの危機を招いた。夜のミーティングで、大井道夫監督(72)は課題を指摘するのではなく、あえて「どう思う?」と、自分で修正点を発見するように仕向けた。
「カッカきて、球をそろえすぎました」と答えた飯塚は、同じ失敗を繰り返さなかった。指揮官は「答えを引き出せば子どもは忘れない。反省を生かして、よく放ってくれた。いや~成長しましたね」と、ほおを緩めた。
これで4試合連続完投。甲子園で計548球を投じており、「確かに疲れています」と話したが「優勝するためには6試合戦わないといけない」と覚悟を決めた。悲願の優勝は、その右腕でつかみ取る。