日本文理・飯塚、20年ぶり全戦完投Vだ
「全国高校野球・準決勝、三重‐日本文理」(24日、甲子園)
準決勝に進出した4校は休養日の23日、兵庫県内などの施設で調整した。新潟県勢初の優勝を狙う日本文理は、1回戦から4戦連続完投中のプロ注目右腕・飯塚悟史投手(3年)が、残り全試合の完投に意欲を見せた。全試合完投して優勝すれば、20年ぶりとなる。
ここまでくれば、もうマウンドを譲るつもりはない。「状態はいい感じ。中1日空くし、もちろん最後まで自分が全部投げるつもり」。4戦連続完投の疲れも見せず、飯塚は明るい顔で言い切った。
継投が主流のいま、異例の鉄腕ぶりだ。ここまで全試合完投は、今大会4強の投手陣で唯一の存在。決勝まで1人で投げ抜いて優勝すれば、94年の佐賀商・峯以来20年ぶり、今世紀初の偉業となる。
09年準優勝時のエース・伊藤直輝さんは、全5試合656球を投げ抜いた。その姿を見て、飯塚は日本文理への進学を志した。今春センバツ後、あこがれの先輩と話した際「どんな状況に陥っても、最後までマウンドに立ち続けるのがエース」と、薫陶を受けた。先輩を超える優勝は、最高の恩返しになる。
大井道夫監督(72)も、「このまま最後まで投げさせるのか」という問いに「私の気持ちはね」と腹を決めた。投球練習はせず、約30球のキャッチボール、フリー打撃などで汗を流した飯塚。まずは強打の三重をねじ伏せる。