敦賀気比・背番号17松本が連続満塁弾!

 2打席連続満塁弾のボールを手に、ナインから祝福される(中央)
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 「選抜高校野球・準決勝、敦賀気比11-0大阪桐蔭」(31日、甲子園)

 敦賀気比の背番号「17」の6番・松本哲幣外野手(3年)が夏春通じて史上初の2打席連続満塁本塁打を放った。初回は2死満塁から左中間へ、二回は2死満塁から左翼席へ運んだ。1試合8打点は、元巨人の桑田真澄(PL学園)や巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜(星稜)らを超える個人1試合最多打点の大会新記録。松本の活躍でチームは大阪桐蔭を圧倒し、春夏通じて初の決勝進出を決めた。1日の決勝では東海大四と対戦する。

 いきなり度肝を抜いた。一回2死満塁。松本は大阪桐蔭の田中の甘くなったフォークをとらえた。打球は一直線で左中間へ。これまで公式戦で1本も本塁打を放ったことのない背番号17が、大舞台でグランドスラム。白い歯がキラリと光った。

 だがこれは序章にすぎなかった。二回、再び2死満塁で松本に打席が回ると、聖地にざわめきが起こった。2球目。今度は内角への直球をさばいた。浜風に乗って左翼席に吸い込まれる白球。スタンドが揺れた。史上初の2打席連続満塁弾だ。

 「平沼を助けたかった。満塁ホームランも1試合2本も初めて。最高です!」

 大阪桐蔭には昨夏準決勝で9-15で敗北。宿敵を粉砕する2発の松本はこの日8打点。桑田(PL学園)、松井(星稜)らの持つ1試合最多打点の記録を塗り替えた。甲子園のスターたちを超えたヒーローは「ビックリです」と目を丸くした。

 チーム一の“左キラー”だ。相手が右投手だった準々決勝・静岡戦は先発から外れたが、この日は大阪桐蔭の左腕・田中攻略のキーマンとして先発出場した。起用が的中したとはいえ、東哲平監督(34)も「まさか、です」。期待をはるかに上回る大暴れだった。

 松本は昨秋の福井大会直前に右肩甲骨を故障し、同大会のベンチ入りメンバーから外れた。寮で同部屋の7番・上田竜也内野手(3年)は「松本はふとんに入って泣いていました」と証言する。

 しかし、前を向くことを忘れなかった。故障から復帰した松本は、1日800球のティー打撃でスイングを強化。ウエートトレーニングにも力を入れて、「板チョコのような腹筋」(上田)を手に入れた。その努力が甲子園で一気に花開いた。

 2打席連続満塁弾を記録した松本のバットと2個のボールは、大会後に「甲子園歴史館」に展示される予定だ。決勝では東海大四と対戦するが「僕たちの目標は日本一。絶対に勝ちたい」。背中の「17」が頼もしく輝いた。

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