早実・清宮サヨナラ負けでセンバツ絶望
「高校野球・秋季東京大会・2回戦、二松学舎大付2-1早実」(12日、市営立川球場)
今夏甲子園4強の早実が東京大会2回戦で延長十回サヨナラ負けを喫し、来春センバツ出場が絶望となった。スーパー1年生・清宮幸太郎内野手は二松学舎大付のプロ注目左腕・大江竜聖投手(2年)から先制打を含む2安打を放ったが、及ばなかった。
終戦を告げる打球が外野で弾む。1点リードの九回、失策をきっかけに追いつかれ、延長の末に力尽きた。あいさつの列に並んだ清宮も、さすがにうつむいた。「もう少しで勝てた。悔しい」。涙こそなかったが、無念の色がにじんだ。
自身は東京No.1投手を攻略した。昨夏、今春と甲子園で活躍した最速144キロ左腕・大江に対し、四回はスライダーを捉える右中間二塁打。六回は1死二塁から直球を中前にはじき返す先制適時打。試合後に「いいバッティングだね」と声をかけて握手した大江は「対応力がすごい」と、実力を認めた。
入学から半年。4月9日にV打デビューを飾った球場で、この日は高校トップクラスの投手を打った。甲子園、U-18ワールドカップも経験。「中学の時から比べものにならないぐらい成長した」という言葉は、今秋4試合で打率・533、4本塁打、12打点という数字が証明している。
これまでも、苦い経験を糧にしてきた。リトルリーグ時代には秋の敗戦以降、練習試合を含めて40連勝以上して不敗のまま、翌年に世界一に上り詰めた。「ここで終わりじゃない。まだ夏がある。さらにレベルアップして帰ってきたい」と誓った清宮。高校野球100年のメモリアルイヤーの中心となった16歳の怪物は、じっくりと己を磨く冬に入る。