早実2回戦敗退 清宮の夏はノーシード
「春季高校野球・東京大会2回戦、昭和6-2早実」(6日、八王子市民球場)
注目のスラッガー清宮幸太郎外野手(2年)を擁する早実が、東京大会2回戦で都立の昭和に敗れた。清宮は「4番・中堅」で先発し4打数2安打1打点。五回には深く守る相手の外野を見て「中前二塁打」とする走塁も見せたが、ここまで練習試合を含め12試合14発と量産していた本塁打はなし。チームとしても甲子園を目指す、夏の西東京大会のノーシードが決まった。
あっけなく清宮の“春”が終わった。9残塁と拙攻を続けるうちに逆転される最悪の展開に、「力不足だなと思います」と完敗を認めた。初回1死一、三塁から二ゴロで三塁走者をかえし先制点を挙げた。だが、チームを勝たせられず「今日の打撃じゃ4番としてチームを引っ張ることができない」と反省した。
五回の第3打席は中前に抜けた当たりで果敢に走り二塁打としたが、これも本来なら遊ゴロになるところが遊撃手が三塁寄りを守る清宮シフトと、深い外野守備が重なり生まれた。外角に遅い球を集められ「うまく打ち取られた」。今年、試合があった日は必ず放っていた本塁打は生まれなかった。
ポイントゲッターである清宮が2度先頭打者となり、チームとしても流れをつかめなかった。打順見直しの可能性を「もちろんです」と認めた和泉実監督(54)は「新1年生も含めて、3学年で、もう一度チームを編成したい」と出直しを宣言した。
この日の敗退で夏の西東京大会はノーシードが確定。相手も当然、本塁打だけは打たせまいと対策を練ってくる。その中で清宮は「警戒されるからこそこちらも燃えてくる」と闘志をかき立てた。2年連続の甲子園出場へ、この悔しさをバネにする。