秀岳館・鍛冶舎監督「寮の食事2日分」
高校野球の硬式の九州学院と、軟式の文徳が春季九州大会への出場を見合わせることを18日までに決めた。たび重なる余震で、両校がある熊本市内はガスや電気などのライフラインや交通網もストップしており、ほとんどの高校が休校となっている。
熊本市の中心部にある九州学院は避難所として市民に開放されている。野球部をはじめ部活動はすべて休止しており「とても野球をやれるような状況ではない」と坂井宏安監督は明言。余震を含めて、今なお危険な状態が続くため、県外出身や遠方の選手は全員自宅へ帰したという。「春の九州大会を軽んじているわけではないが、亡くなった方やけがをされた方もいる中、今は練習どころではない」と坂井監督は苦渋の決断を明かした。
選抜大会で4強入りした秀岳館のある八代市は熊本市内よりは落ち着いた状態とはいえ、余震の影響で庁舎が倒壊する恐れがあるなど被害が出ている。学校は20日までの休校が決まっているが、寮生活を送る選手は全員寮に残って練習を続けている。「ただ、寮の食事が(18日現在で)あと2日分しかない」と鍛治舎巧監督は現状を説明。高速道路や、鉄道、フェリーなど長崎へ行くための交通機関はほぼストップしていることから「移動ができない」と頭を悩ませている。
熊本市内では、伝統校の熊本工も避難所として解放されており、800人が避難生活を送っている。「まずは生活ができるようにならないと…」と安田健吾監督は言葉少な。現時点で野球部の活動再開のめどは立っていないという。熊本県高野連の工木(くぎ)雄太郎理事長は「阿蘇には孤立している学校もある。藤崎台野球場もいつ使えるか分からない状態なので、夏の大会まで含めて考えていきたい」と話した。