崇徳40年ぶり中国大会V 視線は夏へ
「高校野球春季中国大会・決勝、崇徳5-0早鞆」(6日、どらドラパーク米子)
崇徳(広島)が早鞆(山口)を投打で圧倒し、1976年以来40年ぶりの3度目の優勝を果たした。背番号10の長身右腕・河合球伍投手(3年)が、散発3安打完封勝利を挙げた。初戦と合わせ14回無失点と大きく成長。夏の選手権広島大会開幕まで1カ月余り。40年ぶりの夏の甲子園に向け大きな自信となった。
40年ぶりの快挙にもガッツポーズはなかった。最終回、失策もからみ2死満塁のピンチに、河合は最後の打者を三ゴロに仕留めた。「ピンチをつくってしまったので」と喜びを隠したが、143球、散発3安打9奪三振の完封劇で頂点に立った。
194センチの長身から繰り出されるMAX141キロの直球とスライダーで早鞆打線を圧倒した。「1回戦より緊張していなかった」と堂々の投球。前日、エース高原健大朗投手(3年)が完封し、「3年の春、夏は1番を着けている気持ちしかない」とライバルの快投に負けない投球を披露した。
藤本誠監督(36)は「河合が大舞台の中で完封できたのが収穫。高原は2年から投げているので河合に経験を積ませたかった。勇気がいった」と、夏をにらんで先発を託し、左右の二枚看板を形成できたことが大きい。
投打で圧倒して1976年センバツで全国制覇したチーム以来となる春の中国大会優勝。「(OB会長の)応武(篤良)さん、山崎(隆造)さんらセンバツで優勝され、夏も出たチームを目標にやってますので」と中国大会とはいえ、黄金期のチームに肩を並べた。次は「チーム内で競争させながら守る方、打つ方の精度を上げていきたい」と40年ぶりの夏の甲子園大会出場。その時、崇徳ナインは喜びを爆発させる。