報徳学園・小園1年生で「1番遊撃」
第98回全国高等学校野球選手権・兵庫、滋賀、三重大会の組み合わせが28日、決まった。兵庫大会では報徳学園が初戦でドラフト候補の才木寛人投手(3年)擁する須磨翔風と尼崎稲園の勝者と激突。1年生ながら「1番・遊撃」のレギュラーを獲得した小園海斗内野手(1年)が、切り込み役となって“難敵”を撃破する。
名門校にとてつもない新星が現れた。入学1カ月足らずで「1番・遊撃」のレギュラーを奪ってみせた小園。天性のバネを兼ね備えたスピードに、抜群の強肩、打撃センスはとても1年生とは思えない。
春季兵庫大会で毎試合安打を放ち、決勝進出の原動力となった。初めての夏を前に「ワクワクしています。楽しみです」と語る一方で、「まだスキがいっぱいあるので、なくしたい」と課題を口にする。
「中学時代は散漫なプレーが多かった。そこは(入学してから)減ってきたかなと思います」。夏の一発勝負では何でもないミスから一気に流れが変わってしまう。トーナメントだからこそ、相手に主導権を渡さない、完ぺきな野球が何よりも求められる。
26日に行われた創志学園との練習試合では、小園が平凡な送球ミスを犯した直後、3年生が厳しい言葉を投げかけた。身を持って夏の戦いを知る先輩からのアドバイスを、真摯(しんし)に受け止めた。「負けられない戦いなので。3年生が悔しい思いをする。最後まで粘って全力で戦いたい」。その言葉には新入生ながら名門のレギュラーを張る責任感がにじんでいる。
ただ小園の思い切りのいいプレーは一気に流れを変える、試合展開を変えられる力を持つ。昨秋、今春と決勝で明石商の前に涙をのんだ報徳学園。新たに吹き込んだ新風が、伝統校に大きなうねりを巻き起こす。