さらば難波ロケッツ、ラストライブ閉幕

大阪・南海電鉄の高架下にあるライブハウス「難波ROCKETS」(大阪市浪速区)が2月29日、最後の営業となるクロージングパーティを開催。平日のオールナイトイベントにも関わらず約250人が訪れ、25年の歴史に幕を下ろした。

20時の開演から、学生の頃にロケッツに通ったというサラリーマンや、ロケッツをステージサイドから盛り上げてきたバンドマン、関西の音楽シーンを共に作ってきたライブハウス関係者、閉店のニュースを聞きつけたファンなど、年齢・性別問わず多くの人々が続々と会場に。「難波ロケッツ」というハコの25年という歴史の深さや、夜な夜な鳴らされてきたジャンルの幅広さがうかがえる客層となっていた。

この夜出演したのは、「お世話になったハコだから最後は出るしかないだろう」と集まった、ロケッツに思い入れのあるミュージシャンたち。初めてライブを見た憧れの場所だったこと、学校の延長みたいに仲間とバカ騒ぎしたこと、酔いつぶれてスタッフに怒られたこと、音響に当たり外れがあって怖かったこと・・・など、各々が抱くロケッツの思い出を語りながら、熱いパフォーマンスで会場を盛り上げていく。そんな出演者の熱量に、会場パンパンに詰まった観客は声を上げ、身体を揺らして応えていた。出番を終えた大阪発のロックバンド・裸体のペーターは「こんなに全員の熱量が伝わるライブは後にも先にも無いかもしれない」と興奮気味に話した。

23時半を回ると、他のハコでのライブを終えたバンドマンたちが集まり始め、会場は終電後と思えないほどの人数でぎっしりに。そして元ロケッツ店長・かさごさんが到着すると「ビールよりもテキーラが出る」というロケッツらしく、テキーラやイエガーの乾杯がいたるところで見受けられ、会場外でも久々の再会を果たした人々や、ロケッツの閉店を惜しみ初対面ながら酒を酌み交わす人で溢れかえり、ライブハウスが「人と出会う場所」であることを象徴するような風景があちこちで見られた。

大トリを飾った4人組バンド・ANYO(アンヨ)がステージを終えたのが、早朝8時。最後は残っていた約50人全員で一本締めし、お疲れ様の拍手とともにロケッツが幕を閉じた。「これは終わりじゃなくて始まりだと思う。自分たちがでかくなって、こんな遊べる場所を作ればいい」とは、この日出演したバンドマンたちが口々に話していた言葉。ハコは無くなれど、関西の音楽シーンの火はこれからも燃え続けていく。

(Lmaga.jp)

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