20周年の知念里奈「続けられて感謝」
今年10月で歌手としてデビューして20周年を迎えた知念里奈。現在全国ツアー公演をおこなっているミュージカル『ミス・サイゴン』では、その芸歴の半分に渡って演じてきたキム役を卒業し、あらたな役に挑戦している。舞台の魅力、そして今の自分について話しを聞いた。
15歳で沖縄からひとり上京した知念は、デビュー当時には今の姿を思ってもいなかったと話す。「当時はさみしかったし、続けてこられてほんと感謝だなって。10月21日(デビューCDの発売日)に、こんなふうに東京で子どもを交えてご飯を食べてるなんて思わなかった。本当に感慨深かった」と家族で記念日を過ごしたと明かした。
「実際、歌手活動よりも舞台の方が長い。不思議です・・・。ただ(舞台が)好きなんですよねぇ。『なんでキムをやったのに(今回演じる)エレンをするって決めたの?』って言われることもあったんですけど、やりたいんですよね。ただそれだけ。場があれば表現したい。きっと続けられるところまで続けるんだろうなって思う」
この作品の魅力を「エンタテインメントとしても素晴らしいですけど、人が人を思うこと。親子の愛、男女の愛、いろんなかたちの愛情というのと、戦争ですよね。こんなときなので平和を考えたいですよね、って上演のたびに話してる。私は、親として息子に3歳の時から見せていますが、こういうものを通して伝えないといけない使命を感じます」と話す。
10年間演じたキム役を終えた前回公演。「無知で何も知らない17歳の女の子が母親に変わっていくというお話なので、演じるのが難しくなってきて・・・。2年前、やれることを全部やりきるという気持ちでやらせてもらって、大好きな作品だけどお別れなんだ、さみしいなと思って千穐楽を迎えた」という。今回オーディションを受けるにあたって「エレンのソロナンバーを練習しはじめたら、彼女の心理に気づいた。実際はエレンも戦争の被害者で、悪い人ではなく、とても尊敬できる人だなと」共感したという。
年末年始には大阪公演を控え、「年の終わりと始まりに大事なテーマをもった作品。ちょっと重いですが、大阪パワーでぜひ盛り上げていただきたい(笑)」と話した。公演は「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で12月30日(金)から来年1月15日まで、チケットはS席13500円、A席9500円、B席5500円ほか、各プレイガイドで発売中。
(Lmaga.jp)