小坂忠、51年目を飾るビルボード公演

昨年デビュー50周年をむかえた、日本のR&B/ゴスペル/ポップスの礎を築いてきたレジェンド、小坂忠。51年目の活動を飾るライブを、3月23日に「ビルボードライブ大阪」(大阪市北区)でおこなう。

1966年にGSグループ、ザ・フローラルのメンバーとしてデビューした後、細野晴臣や松本隆とともに、はっぴいえんどの前身となるグループ、エイプリル・フールを結成。1971年に細野晴臣の前面バックアップのもと、日本のシンガーソングライターアルバムの名盤として誉れ高いアルバム『ありがとう』でソロデビューを果たし、1975年には日本のソウルミュージックの最高峰として現在も多くのミュージシャンやDJに影響を与え続けている名盤『HORO』をリリースした彼。

以降も良質のアルバムを発表し続けるが、愛娘の事故をきっかけにクリスチャンとなり、ゴスペルシンガーへ転向。教会の牧師になるなど、ポップミュージックの第一線からは長らく遠のいていたが、2000年にティン・パン・アレーの4人中3人が集ったTin Panの再結成でふたたび表舞台に登場。2001年には細野晴臣全面プロデュースのもと24年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Pepole』を発表。現在までコンスタントに音源リリースとライブをおこなっている。

50年を超える音楽人生のなかで、多彩なサウンドを血肉化し、いまだ衰えをまったく感じさせない、甘くほろ苦い歌声で世代を超えて音楽ファンを魅了し続けてる彼。誰もが知るようなヒット曲こそないが、その楽曲には「音楽のセンス・オブ・ワンダー」が無限に詰まっている。今回のライブでは、鈴木茂、小原礼、Dr.kyOn、屋敷豪太、小林香織といった新旧強者ミュージシャンがサポート。大阪公演には尾崎亜美がゲスト出演するなど、見どころたっぷりのステージとなりそう。往年のファンはもちろん、細野晴臣は知ってるけど・・・という若い世代も、この機会にジャパニーズ・ポップの至宝の豊潤なパフォーマンスに酔いしれたい。

文/井口啓子

(Lmaga.jp)

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