関西初、尼崎でアンクルトリスの柳原良平展
1950年代のウイスキーの広告で国民的人気を博したキャラクター「アンクルトリス」。その作者である柳原良平(1931~2015)の回顧展が、5月20日から「尼崎市総合文化センター 美術ホール」(兵庫県尼崎市)でおこなわれます。
柳原は1931年に東京都で生まれ、父の転勤のため6歳の時に京都に引っ越しました(その後、西宮市、豊中市に転居)。兵庫県立尼崎高等学校、京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)を経て、寿屋(現・サントリー)に入社。1958年にトリスウイスキーのCMキャラクター「アンクルトリス」を手掛け、毎日産業デザイン賞、広告電通賞などを受賞します。また同社では、後に小説家として名を残す開高健や山口瞳らに出会いました。
1959年に寿屋を退社した後は、本の装丁を数多く手掛ける一方、子供の頃から大好きだった船舶関連の書籍や幼児向けの絵本を多数執筆・デザインしました。また、画家としても多数の個展をおこなっています。本展では、大阪市立中央図書館「アンクル船長のギャラリー」と、横浜みなと博物館の所蔵品から、代表作「アンクルトリス」の作品と関連資料、少年時代のスケッチや自作機関誌、生涯愛した船や港を描いた作品を展覧。2015年に逝去した柳原の画業を、没後関西で初めて展観します。
文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)