松本幸四郎「これからは人生の逆転劇」
日本を代表する歌舞伎俳優にして、アメリカのブロードウェイでは『ラ・マンチャの男』日本人初の単独主演、イギリス各地では『王様と私』を半年間で200ステージ以上主演を務めるなど、分野を超えて活躍を続けてきた松本幸四郎が、10月15日放送の毎日放送『情熱大陸』に登場する。
歌舞伎界の名門・高麗屋の長男として生まれ、39歳で九代目松本幸四郎を襲名してから早や36年。来年1月に父の最後の名跡である「二代目松本白鸚」を襲名することが決まった幸四郎が、長年親しんだその名で最後に挑む現代劇は、奇しくも幸四郎襲名の翌年1982年に初めて挑んだ『アマデウス』だ。19世紀を舞台に天才モーツァルトと凡庸な宮廷音楽家のアントニオ・サリエーリの確執を描いた名作で、幸四郎が演じるのはモーツァルトの才能に嫉妬し葛藤するサリエーリ役。公演は450回を超え、かける思いもことさらだ。
番組では稽古から本番までの1カ月間に密着。2004年以降、演出家としても携わる幸四郎は、俳優一人一人の仕草から帽子の角度、音響効果の微妙な差まで徹底的にこだわり抜く。そして当然、自らも役者として2時間45分の間、表に出続けるハードな舞台だ。 「手を抜くことはしない、何事も徹底的にやってきたから今の自分がいる」と語り、75歳となった今も全身全霊で舞台に挑んでいくその気迫と、舞台上からは想像もつかない「家族が語る、素顔の幸四郎」を丹念にカメラが追う。この模様は10月15日・23時から放送される。
(Lmaga.jp)