女優・板谷由夏「台本読んで神の声を聞いた」
女優・板谷由夏が、実在した女性科学者の運命を描く『PHOTOGRAPH(フォトグラフ)51』で、ついに初舞台を踏む。「今まで舞台は好きで見ていたのですが、出演するタイミングがなかった。台本を読んで、神様の声を聞いたというか、やらない理由がない」と意欲を語った。
科学の分野において、まだ女性の地位が認められなかった1951年、板谷演じる科学者のロザリンド・フランクリンは研究に没頭する。ロザリンドはDNAの二重らせん構造の発見に大いに貢献したにもかかわらず、別の研究チームの男性2人がその功績を自分たちだけのものにし、後にノーベル賞を受賞する。
「昔に比べて女性が活躍できる時代になったとはいえ、今でも似たような話はあると思います。でも、ロザリンドに関連する本を読んでいると、彼女はノーベル賞が欲しいと思って研究をしていたわけではないと思う。ただただ自分のやりたい仕事に日々没頭し、ある意味では幸せだったと思います」。
しかし、彼女の貢献は日の目を見ることはなく、37歳で病死する。「家族や自然が大好きでかわいらしい人でもある。そこも含めて彼女の報われなかった人生の悲しみや切なさも表現できればと思います」。舞台では、彼女の頑なな性格や、恋愛感情を含めた5人の男性との人間関係が浮き彫りになる。「私がロザリンドの友人だったら、一生懸命もいいけれど、周りを見て、もっとチームプレイしたらとアドバイスしたと思います(笑)」
その板谷は「チームプレイが大好き。どの現場にもすぐヒューッと入り込み、壁を作らないタイプ。いろんな人を知ることができる役者は本当に楽しいです」という。女優のほか、ニュースキャスターやファッションブランドのプロデュースも。「普段会えないような人に会えますし、根っこはどれも好奇心。でも、結局はすべての経験を芝居に還元したい。その欲は決してブレないですね」。
本作は4月に東京・大阪で上演。大阪公演は4月25日・26日に「梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)にて。チケットは8500円。
取材・文/米満ゆうこ
(Lmaga.jp)