来年で還暦の吉田鋼太郎「男盛りの色気だせるか?」
日本を代表するシェイクスピア俳優であり、その迫力ある演技は映像の分野でも注目を集める吉田鋼太郎。次回主演舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』の会見が大阪市内でおこなわれ、その意気込みを語った。
『シラノ~』は、知性も武力も恵まれているが、大きな鼻にコンプレックスを抱く兵士・シラノ(吉田)の切ない恋を描いた、フランスの名作戯曲。彼が思いを寄せるロクサーヌ(黒木瞳)と、彼女と相思相愛のクリスチャン(大野拓朗と白洲迅のWキャスト)の仲を取り持つため、クリスチャンの代わりに美しい愛の言葉をつづっていく。
「自分に自信がないから、女性に自分を売り込めないという悲しさは、男性に共通するのではないでしょうか。古典とはいえ、恋が一筋縄でいかない所や、人に思いを伝えることの難しさは、今の人にも共感してもらえるのでは。ぜひ男性の方にも観てもらいたいです」。
来年で還暦を迎える吉田だが、その直前にシラノを演じるのは「よくぞこの時期に、この作品が来たと思った」と言う。「おそらくシラノは40代で、バリバリの男盛りの活力と色気がある。それを60歳前の自分に出せるのか? というのが、一番不安(笑)。でも、まだ舞台の上でがんばれるか、暴れられるかというのを試す意味でも、自分にとって記念になる作品にしたい」と意気込む。
黒木とは舞台初共演となるが、ドラマでは共演したことがあり、「僕がアドリブを入れるとその倍ぐらい返して下さって、すごく盛り上がったんです。とても素敵な方で、舞台でご一緒できることが本当に楽しみ」と、その期待を語った。5月の東京公演を経て、大阪公演は6月8日~10日に、「兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール」(兵庫県西宮市)にて。チケットは12500円で発売中。
取材・文・写真/吉永美和子
(Lmaga.jp)