花組・明日海りおが魅せる、宝塚版・天草四郎
宝塚歌劇団花組が、島原の乱を率いた伝説的な人物・天草四郎を主人公にしたミュージカル『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』と、大人の雰囲気のショー『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』を上演する。
舞台は、今年7月の世界文化遺産の登録に向けて注目を集める天草。江戸時代初期、肥前島原藩によるキリシタン弾圧と重税に耐えかねた民衆たちが、大規模な一揆、島原の乱を起こす。そこには勇敢な美少年、天草四郎の存在があったと語り継がれており、今作では謎多きその姿を新たな視点で描く。
天草四郎時貞を演じるのは、今年『ポーの一族』でも稀有な存在感で観客を惹きつけた花組トップスター・明日海りお。彼女のカリスマ性がいかんなく発揮されそうな役柄であり、1人の娘との出会い、キリシタンのために立ち上がる決意などを、豊かな演技力で表現するはず。
作・演出は、日本物レビュー『雪華抄』(2016年)でも伝統に新しさをプラスし、花組の魅力を際立たせた原田諒。今作では現代的なエッセンスを加味するとのことで、衣装や美術まで斬新な日本物の世界が繰り広げられるだろう。
一方の『BEAUTIFUL GARDEN-』はまさに百花繚乱、スターが煌めく花組にふさわしい豪華絢爛な舞台。「ショーの花組」と呼ばれ、洗練された魅せ方が歌やダンスからも伝わってくる花組。その男役・娘役の神髄を、スペクタクルな舞台を届ける演出家・野口幸作が、古今東西の名曲を織り交ぜ存分に引き出す。公演は「宝塚大劇場」(兵庫県宝塚市)にて7月13日から。チケットは6月9日発売。
文/小野寺亜紀
(Lmaga.jp)