台湾の大ヒット作をリメイク、山田裕貴&齋藤飛鳥「食わず嫌いせずに観てほしい」

台湾で社会現象を巻き起こした大ヒット作を、日本版としてリメイクした映画『あの頃、君を追いかけた』。主演は、すでに今年だけで5本の映画に出演するなど、若手実力派俳優として注目を集める山田裕貴。そして山田演じる浩介が高校時代から10年間想い続けたヒロイン・真愛を演じたのは、乃木坂46として活躍する齋藤飛鳥。山田が「天職というか、天役でした」と言い切る作品について、2人に話を訊いた。

写真/木村正史

「本当の笑顔は破壊力抜群だと思う」(山田裕貴)

──今作が映画初出演となる齋藤さんをはじめ、モデルから俳優に転身した中田圭祐さんや、元芸人の遊佐亮介さんなど、個性豊かな出演者のなかで山田さんは座長としてどういう意識で現場に挑んだんでしょうか?

山田「みんなで一緒にいるシーンがすごく重要というか。ワイワイ楽しく過ごすところもあれば、ちゃんとまじめに語り合えるところもあったり、みんなで好きなように楽しくやって、それが本当の仲間に見えたらいいなっていうのは最初から思っていたんです。飛鳥ちゃんは今回の映画が初めてだったし、普段の現場とは雰囲気が全然違うかもしれないけど、これでちょっとでもお芝居が楽しいとか、この映画をやって良かったと思ってもらえたらうれしいな、そんな感覚が強くて。なので、座長として引っ張ろうというよりも、みんなで最後を迎えたときに『楽しかった』って言える映画にしたいと思っていましたね」

──主人公の高校生・浩介とクラスの優等生・真愛のほろ苦い恋愛を描いた今作ですが、劇中では、温泉で好きな女の子について話したり、自転車で男友だちの家にゲームしに行ったり、海で遊んだり・・・クラスメイト同士での、演技ではない本当に楽しそうな光景がいくつもありました。齋藤さんはそういった雰囲気の現場ではいかがでしたか?

齋藤「山田さんをはじめ、ほかのキャストのみなさんが本当に仲が良くて、控え室でもずっとワイワイ楽しく過ごしていたんです。その姿を見て『ああ、すごく良い現場だな』って思ってて。私とか(松本)穂香ちゃんのことも笑わせようとしてくれたりして、初めての映画という面で不安はすごいあったんですけど、現場の明るさには救われました」

──途中、山田さんが齋藤さんを必死に笑わせるシーンでは、齋藤さんが素で笑ってるんじゃないかなと感じる表情がありました。それは現場の雰囲気から自然と出たものなんですね。

山田「芝居で笑ってるんじゃなくて、本当の笑顔が画面に映ってるのって、お客さんにとったら破壊力抜群だと思うんですよ。浩介も、真愛が笑ってくれるから好きになったわけで、真愛の笑顔というのはすごく重要だと思ったので、本気で笑かしにいきました。真愛の笑顔を絶対撮らなきゃっていう使命感。飛鳥ちゃんを笑わせるのは、なかなか難しかったですけど(笑)」

齋藤「ふふ(笑)」

「私もクールだって普段よく言われる」(齋藤飛鳥)

──おバカで愛すべきキャラクターの浩介は、山田さんにとって共感する部分はありましたか?

山田「そうですね、自分のあの頃を思い返してるような感覚がありました。小中高といじられキャラで、本当にこのままっていうか。天職じゃないですけど、天役がきたなって感じでした。浩介の印象的なセリフの『将来はすごい人間になりたい』というのもすごく思ってて、今でも『世界をちょっとでも変えられる人になりてぇ!』って思いますし。天役です、天役! やっと自分の良さ出せたなっていう感覚がありますね」

──これまでも幅広い役を演じてきましたが、今回は特にそう思ったんですね。

山田「全裸になったり、本来持ってたふざけた良さをやっと出せたなって。これまで結構かっこ良くてスマートな役もたくさんやらせてもらったんですけど、全然俺じゃねえなって思ってたんですけど、『浩介は俺だ!』って思えたのは初めてだったので」

──齋藤さんは、優等生の真愛とは共通点はあると思いますか?

齋藤「そうですね。真愛のクールな部分とかは、私もクールだって普段よく言われるので似てるのかなとは思ったんですけど、キャラクターそのものはそんなに近くはなかったかなって思いますね。中学1年生のときから乃木坂46に入って、自分でお仕事を選んでそれを優先していたし、元々乃木坂に入る前から学生生活を楽しみたいというタイプでもなかったので、あんまり楽しい思い出みたいなものはなくて。なので、この作品の撮影を通して学生生活というものを改めて体験させてもらって、良いもんだなっていうのを感じました」

──いつも山田さんは演技をするときに「役を生きる」と言ってますが、今回そんな真愛に対して、浩介を生きたからこそ出た言葉だったり、動きはありましたか?

山田「いつも、お芝居にしないとか、役を生きるって言ってるのは、相手の反応をもらうっていうのもすごく重要なんですよ。自分がセリフを言った後の相手の顔。今回、飛鳥ちゃんの真愛にすごく影響を受けたんです。なんか切ないような表情になったり、笑ってくれた瞬間に、僕のなかで浩介として心がワ~って動くんですよね。それがすごく楽しかった。自然に浩介を生きることができて、あ、真愛だなって思えたのがすごいというか」

齋藤「うれしいですね」

──以前、齋藤さんは番組の密着ドキュメンタリーで「乃木坂46以外で活動してる自分が想像できない」とおっしゃってましたが、今回真愛を演じて、こういう山田さんからのコメントを聞いて、なにか心境が変わった部分はありましたか?

齋藤「これまであんまりやりたいことがなくて、たまたま乃木坂46っていうグループが自分に合うなって思って、いさせてもらってる感じだったんですけど。今回お芝居を本格的にやることができて、おもしろさとか楽しさがわかったので、また機会があったらいいなってぼんやり思うようになりました」

──浩介と真愛の10年間を通して、恋することの愛おしさと友情のすばらしさを描いた作品ですが、ここ数年多い少女漫画原作のような、いわゆるキラキラ映画ではないですよね。今まさに高校生活を送っている学生や、もう社会人になったたくさんの人が映画を観て、自身の「あの頃」を思い出すような作品だと思います。

山田「すごく良い瞬間が切り取られてるけど、でも結末はこうなるんだっていう、人生ってうまくいかないこともあるんだろうし、でもその選択は間違ってもないし、それもまた人生でもあるし。そういうことを教えてくれる映画になってると思うので、たくさんの人に、幅広い層に見ていただけたらいいなって思います。お父さんお母さん世代にも観ていただきたいですね」

齋藤「上の世代の方って、こういう今の若い人たちが出てる恋愛の青春モノってあまり観る気にならないのかなって思うんですけど、この作品はリアルで誰もが共感するポイントがいくつもあるので、きっと心を動かされると思います。嘘くさくない感じがすごく好感持てるなと思ったので、ぜひ食わず嫌いせず観ていただけたらうれしいです」

山田「それ、いいね。食わず嫌いせず観てほしい!」

齋藤「ふふ(笑)」

(Lmaga.jp)

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