芦屋市立美術博物館で、「資料」から作家像に迫る斬新な美術展

作家にまつわる資料から、その作家像に迫る斬新な展覧会が、12月8日から「芦屋市立美術博物館」(芦屋市伊勢町)でおこなわれる。

美術館は美術作品だけでなく、スケッチ帳、日記帳、手書き原稿、写真など、作家のさまざまな関連資料を収蔵・保管している。たとえば「大橋了介関連資料」では、大橋が渡欧時に行動をともにしていた作家たちや、彼に大きな影響を与えた佐伯祐三との交流がうかがえる滞欧日記などが展示される。また「小出楢重関係資料」(彼のアトリエは芦屋市立美術博物館の敷地内に移設されている)では、小出が友人や家族らと幾度も別府を訪れた際の映像やハガキが見られる。ほかには伊藤継郎が作家仲間を招いた宴席で撮影した写真なども。

これらは一見、美術作品とは無関係に見えるかもしれないが、作家のもうひとつの顔に触れることで作品の見え方が変化し、美術史をひも解く重要な手掛かりとなるだろう。また、作家を自分と同じひとりの人間として見られるので、作品との距離感がぐっと縮まり親近感が増すはずだ。

本展では先に挙げた大橋了介、小出楢重、伊藤継郎のほか、「芦屋カメラクラブ」「具体美術協会」の関連資料が所蔵作品とともに紹介される。また本展に合わせて「芦屋アートマップ」(仮称)を作成し、市内に点在する美術作品と触れ合う機会も提供される。期間は2月11日まで、入場は一般500円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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