伝説のバンド・クイーンのアルバムジャケットの元ネタ、神戸で展示
19世紀前半にフランスで諷刺・挿絵画家として活躍したJ・J・グランヴィル(1803~1847)の版画作品を展示する企画展が、「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)の常設展示室で、3月3日までおこなわれている。
グランヴィルといえば、伝説のバンド・クイーンのアルバム『Innuendo(イニュエンドウ・暗示という意)』のジャケットの元絵となったイラストでも知られている。このアルバムは、ボーカルのフレディ・マーキュリー最後の作品となったものである。ジャグラーの手からはずれた星は、アルバムではバナナとして描かれており、そのバナナがアルバムのアートワークのなかにも登場し、まさにフレディ・マーキュリーが亡くなる「暗示」であったとして、ファンの間では話題となっていた。こちらの作品は、グランヴィルの『もうひとつの世界』という挿絵本のなかのひとつとして展示されている。
動物と人間が変身・合体し、生物と無生物が混交する幻想的な作品は、20世紀のシュルレアリスム絵画を先駆すると評されるグランヴィル。国内有数のグランヴィルのコレクターM氏が所蔵する版画作品約200点が観られる。展示は、時代ごとに大きく3章にわけられ、初期から絶筆までの作風と私生活の変化を追うことができる。料金は一般500円。
取材・文・写真/太田浩子
(Lmaga.jp)