しりあがり寿、会田誠らが出品 昭和と平成をヒーローとピーポー(ピープル)で回想する展覧会
平成の世がいよいよ終わろうとする今、我々が生きてきた時代を振りかえる野心的な展覧会が3月17日まで開催中。「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)の『Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー』だ。
同展は昭和と平成、ふたつの時代の様相を、ヒーローとピーポー(=ピープルの造語)という対照的な存在に着目。昭和初期の東京の風俗や、戦時中に描かれた戦争画や銃後の人々、戦後の労働運動、過激な集団パフォーマンスや若者風俗をテーマにした映像など、大衆の姿を捉えた作品がある一方、ゴジラ、ウルトラマン、月光仮面、のらくろ、黄金バット、怪人二十面相といった時代のヒーローたちの姿も見られる。また、漫画や紙芝居など大衆メディアも多数展示されている。さらに、現在活躍中の4作家(会田誠、石川竜一、しりあがり寿、柳瀬安里)が、同展のための新作を発表しているのも見逃せない。
展示構成は、集団行為、奇妙な姿、特別な場所、戦争、日常生活の5章仕立て。作品総数は約400点に上る。映像作品が複数あるので、鑑賞時間は軽く2時間を超えるかも。膨大な作品に浸って、ふたつの時代と向き合ってほしい。期間は3月17日まで、料金は、一般1300円。
取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)