長くつ下のピッピの世界展、作家のオリジナル原稿を国外初公開

ベストセラーの児童書『長くつ下のピッピ』で知られる、スウェーデンを代表する児童文学作家アストリッド・リンドグレーン(1907~2002)。彼女の作品と人生やスウェーデンの文化を伝える展覧会が、2月8日から「美術館「えき」KYOTO」(京都市下京区)でおこなわれる。

『長くつ下のピッピ』が生まれたのは1941年の冬。アストリッド・リンドグレーンは風邪で寝込んでいた愛娘を喜ばせようと、天衣無縫な女の子の活躍を即興で語った。そして第2次世界大戦終戦の1945年、そのお話は本になり、瞬く間に世界中の子ども達の人気を集めたのだ。彼女はほかにも『やかまし村の子どもたち』や『ちいさいロッタちゃん』などの名作を生みだし、「子どもの本の女王」と呼ばれている。

本展では、スウェーデン王立図書館に収蔵され、ユネスコ「世界の記憶」にも登録された『長くつ下のピッピ』ほかの貴重な原画の日本初展示をはじめ、リンドグレーン自らがタイプして愛娘の10歳の誕生日に贈った「ピッピ」のオリジナル原稿、愛用品など約200点が紹介される。また、スウェーデンの生活文化、自然との共生、子育てといったテーマにも焦点が当てられている。展覧会グッズも充実しており、ファンには見逃せない機会だ。期間は3月4日まで、料金は一般800円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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