元雪組トップスターの杜けあき、「宝塚の歌は財産」と特別コンサートに意欲
宝塚歌劇105周年の今年、卒業生と現役生が集う『吉崎憲治&岡田敬二 ロマンチックコンサート』で、自身の代表作『華麗なるギャツビー』や『ラ・パッション!』の主題歌を歌う、元雪組トップスターの杜けあき。その楽曲の生みの親である吉崎憲治とともに、取材会でその思いを語った。
「吉崎先生とは『ヴァレンチノ』『おもかげ草紙』など、お芝居での曲が多く、どれも組曲のように起承転結がある大曲でした。ドラマ性があり、それらの歌を通し役者として育てていただいた。こうして再び先生の作品を歌わせていただけるのは幸せです」と喜ぶ杜。今回のコンサートではそれら吉崎憲治の名曲などが、豪華な出演者たちによって歌い継がれる。
杜は先ごろ開催されたイベント『ベルサイユのばら45 ~45年の軌跡、そして未来へ~』でも、男役の歌を披露し大きな拍手を浴びたが、「当時の声を出さなきゃいけないと覚悟をもって挑みましたが、女優の仕事をしているので苦労はありました。でもおもしろいもので、毎日歌っていると(男役の声が)出てくるんですよ」と笑い、宝塚で作曲活動60年の吉崎憲治も「才能ですね」と目を細めた。
観劇後に誰もが口ずさんでしまうような主題歌や、情熱的なナンバーを数多く生み出してきた吉崎は、「歌詞を大切に、主役の人のイメージを重ねながら作ってきました」などと創作過程を披露。そのたびに感銘を受けた杜は、「イントロが流れただけで、当時に戻れるんです。目線すら変わってしまう(笑)。そんな醍醐味が宝塚の歌にはあります。男役の芝居はなかなかできないけれど、歌はずっと歌える。そういう意味でも財産だと思います」と、宝塚の楽曲の魅力を語った。公演は6月1日・2日に、「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)にて。チケットは11000円ほか、5月11日に発売。
取材・文・写真/小野寺亜紀
※「吉」は上部が「土」、「崎」は右上が「立」が正しい表記
(Lmaga.jp)