大阪市、出版社・エルマガジンと「食べ残しゼロ協定」
大阪市は、出版社「京阪神エルマガジン社」(大阪市西区)と『「食べ残しゼロ」の推進に関する連携協定書』を締結。その締結式が16日、大阪市環境局(大阪市阿倍野区)でおこなわれた。
国連総会が2015年に掲げた「SDGs(持続可能な開発目標)」の国際目標のひとつ、「2030年までに『食品ロス』を半減させること」。同市における事業系の食品ロスは年間約11万トンにおよび、市の人口約260万人に換算すると1人1日あたりコンビニおにぎり1個強の食品ロスに相当する。
これまでも「大阪市食べ残しゼロ推進店」を募集するなど、認知につとめてきた大阪市。市の広報だけでは限界があるなか、「食べ残しゼロ」の愛称募集をきっかけに知り合った「エルマガジン社」から今回の連携協定の申し出があったという。
同社の荒金毅代表取締役は、「長年、星の数ほどたくさんの飲食店と関わってきた。街は生き物であり、都市の飲食店の変化はダイナミズムでもある。雑誌という形で情報発信する役割を担うなか、CSR(社会的責任)という観点もあり、今回の提携を結んだ」と、その意図を話した。
一方、同市環境局の青野親裕(ちかひろ)局長は「若者中心に幅広い層へ情報発信ができ、市内の飲食店を知り尽くしているエルマガジン社との民間連携はとても心強い。今後、お互いに協力し、関係を深めながら地域コミュニティの活性化にもつなげていきたい」と期待を寄せる。
G20サミットや大阪万博を控える大阪。ただおいしいだけでなく、食事を残さず食べるといった環境やエコという観点で、意識の変化が期待される。今後環境局の情報は、同社の発行する月刊誌『ミーツ・リージョナル』のインフォメーションページのひとつに毎月掲載される予定。
取材・写真/岡田由佳子
(Lmaga.jp)