京都府立植物園に現代アート、鑑賞はガイドツアーで
植物園のなかに現代アート作家たちが作品を設置し、ガイドツアー形式で鑑賞するユニークな展覧会『生きられた庭』が、「京都府立植物園」(京都市左京区)で5月12日からおこなわれる。
出品作家は、石毛健太、高橋銑、多田恋一郎、立石従寛、野村仁、牧山雄平、山本修路の7名。20代から70代まで幅広い年代の作家が選ばれており、作品のジャンルも絵画、オブジェなどさまざま。絵画を庭園内に展示したり、オブジェを噴水に設置したりなど、美術館やギャラリーでは決して見られないシチュエーションが興味深い。
そこには、美術館と植物園、人工と自然、事物と生命など多元的なテーマが横たわっており、庭園によって作品が、作品によって植物園自体が活性化され、新たな様相が生き生きと立ち上がるのだ。
そして本展の鑑賞は、1日に7回開催される「ナビゲーション」と題したガイドツアーでおこなわれる(最終日はクロージングイベントを予定)。ツアーの内容は毎回異なっており、まさに一期一会の趣。キュレーターの解説を聞きながら鑑賞することで、本展にどのような意図や物語が込められているかが的確に伝わるだろう。
また、このツアーの様子は映像やテキストの形で「ドキュメンテーション」として公開される。つまり本展は、「ナビゲーション」と「ドキュメンテーション」で時間と空間に新たな物語を与えるひとつの試みでもあるのだ。期間は5月19日まで、料金は一般200円。
文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)