1980年以降の欧米・抽象芸術、大阪で最新展示
抽象芸術の最新の動向を伝える展覧会『抽象世界』が、「国立国際美術館」(大阪市北区)で5月25日からおこなわれる。
抽象芸術とは、現実世界の具体的な事物を写しとるのではなく、色、形、線などの諸要素を駆使して構成された芸術作品のこと。美術史的には20世紀初頭の前衛運動と第2次大戦後のアメリカ抽象表現主義にそのピークを見ることができる。
ところが近年、欧米で抽象芸術が再び注目されているという。といっても、過去の前衛運動や抽象表現主義とはひと味違って、美術のさまざまな概念や手法を柔軟に取り入れた表現に進化しているのだ。抽象芸術=小むずかしい、頭でっかち。そんな印象を持つ人は今でも少なくないだろう。最近の抽象芸術は難解さが感じられなくなってきている。
本展では1980年から今日にいたる約40年間の欧米の抽象芸術をターゲットにして、13作家の絵画・彫刻を紹介する。典型的な抽象絵画から他ジャンルの要素を含んだものまで、作品の傾向はさまざま。抽象が好きな人はもちろん、今まで敬遠していた人にも新たな発見をもたらす機会となるだろう。期間は8月4日まで、料金は一般900円。
文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)