演劇好きの行定勲監督「関西の劇団は極端で面白い」
今秋、大阪でおこなわれる『関西演劇祭2019 お前ら、芝居たろか』。参加劇団を選考する審査員のひとり、映画監督の行定勲がその思いを話した。
現在、小劇場の演出家を主人公にした映画を準備中だという行定監督。「その映画には、自分に自信があっても、他者が認めない限り世のなかに這い出して来られない苦悩が描かれている。誰かが手を差し伸べないと、芽を出すことがない。そういう辛辣な世界を目の当たりにしながら準備をしていたら審査員の話が来たので、何か他人事じゃないというか・・・」と打ち明けた。
年間の観劇本数は映画観賞よりも多いという大の演劇好き。「関西の演劇はパワフルでエネルギッシュ。でも、ごちゃごちゃしているかと思いきや、非常に耽美的で詩的なものをやったりする。そこはバランスの取れた東京の劇団より極端で面白い。関西にはその影響を受けている原石がいっぱいいると思います。境界線をぶち壊しているようなものを観たいですね」と切望した。
「世のなかに出てくるべき才能が、関西から生まれたら面白いのではという期待を込めて参加した」と熱意を語った行定監督。演劇祭は、9月21日から「SSホール」(大阪市中央区)にて。参加劇団は6月16日まで募集中。
取材・文・写真/岩本和子
(Lmaga.jp)