兵庫県立美術館内に、建築家・安藤忠雄氏の新ギャラリー
「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)に新たな展示棟(第2展示棟)となる「Ando Gallery(アンドウ・ギャラリー)」が、5月23日に開設された。同館を設計した建築家・安藤忠雄氏の手がけた建築作品が展示される。
アンドウ・ギャラリーが建てられたのは展示棟とギャラリー棟の間で、以前は野外展示スペースだった場所。そこに元からあったデッキスラブを吹き抜けの大階段で繋ぎ、その上に屋根を浮かせる形で2層の展示空間を獲得したのだ。構造は、鉄骨造3階建、建築面積87.82平米、延床面積614.74平米。出来上がってみると、まるで最初からそこにあったかのように美術館建築と一体化している。
こちらに展示されるのは、阪神淡路大震災からの復興プロジェクトや、安藤建築の原点というべき初期の住宅作品、《住吉の長屋》、《光の教会》など過去の代表作。そして香川・直島の一連のプロジェクトに、大阪の《子どもの本の森 中之島》、ヴェネツィアの《プンタ・デラ・ドガーナ》、パリの《ブルス・ド・コメルス》といった最新プロジェクトを見ることもできる。
すばらしい展示、空間、建築、そして海側・山側のデッキから望む眺望は、新たな神戸のお出かけスポットとしても申し分ない。
取材・文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)