米国人女性が愛した浮世絵の名品200点、日本初の里帰り展
明治39年(1906)に来日し、優れた浮世絵コレクションを残したアメリカ人女性、メアリー・エインズワース(1867~1950)。そのコレクションから名品約200点を精選した展覧会が、8月10日から「大阪市立美術館」(大阪市天王寺区)でおこなわれる。
同コレクションは現在、彼女の母校であるオーバリン大学の「アレン・メモリアル美術館」(米・オハイオ州)が所蔵しており、総数約1500点に上る。初期から幕末まで浮世絵の歴史をたどれるほどの質量があり、世界でも希少な初期の浮世絵版画(菱川師宣など)を多数所蔵している。また、六大浮世絵師(鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重)の作品が充実しているのは特筆すべき点である。実際、彼女のコレクションは当時から有名で、日本で昭和13年(1938)に発行された『古今東西浮世絵数寄者総番付』にも、東洋美術史家・フェノロサや美術評論家・ゴンクールとともにその名が記されている。
本展では全5章で時代を追って名品を紹介。アメリカでの現地調査をもとに選りすぐりの作品がラインアップされており、その全容を日本に紹介する初の里帰り展となる。浮世絵通から初心者まで、誰が見ても満足できる上質の展覧会と言える。期間は9月29日まで、料金は一般1400円。
文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)
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