演出家・平田オリザ「アジア発の本格的演劇祭を兵庫・豊岡市で」
劇作家で演出家の平田オリザがディレクターを務める演劇フェスが、2020年に兵庫県豊岡市で開催。そのプレ大会として9月6日~8日に『第0回 豊岡演劇祭』が開催される。
世界的に有名な演劇フェスティバルとしてアヴィニョン(フランス)、エディンバラ(スコットランド)でのイベントをあげる平田。その特徴は、「招待アーティスト以外に、フリンジと呼ばれる自由参加の演目が教会や倉庫などあらゆるところでパフォーマンスされている。私はアジア発の本格的なフリンジ型の演劇祭をやりたい」と話す。
それを実現するためには3つの要素が必要といい、「1つは多様な劇場がたくさんあること。1つは宿泊施設があること。あとはネットワーク。豊岡にはその要件がそろっている」と自信を見せる。
地元で使われていない大小さまざまな施設を個性的な劇場として利用し、エリア内には部活合宿で利用される神鍋高原や温泉地・城崎温泉など各種宿泊施設も完備。そこに平田のネットワークで、「観客動員を意識し、日本の演劇状況が4日間で観られるようなラインアップにしたい」と国内外からアーティストを呼び集めるという。
さらに、「豊岡は『城崎にも行ってみたかったし、安い宿で何日も観てまわれるなら・・・』とおいしいものを食べたり、観光を楽しんだりと地域で回遊できる。本来のヨーロッパのフェスとはこういうもの。『瀬戸内国際芸術祭』は、だから成功した。これのパフォームアーツ(舞台芸術)版を作りたい」と平田。「5年でアジア最大の、10年で世界有数の国際演劇祭を目指す」と意気込む。
第0回となる今回は、「相当コンパクト。いろんな情報を集めたり、行政も慣れない仕事なので民間との分け方を検討するのが目的」と平田。とはいえ、自身の劇団・青年団の代表作『東京ノート』のインターナショナルバージョンや、旬の劇団のひとつ・柿食う客の新作プレミア公演など、今回のラインアップも見どころあるラインアップだ。
会場は大阪市内・京都市内から電車で約2時間半の豊岡市「城崎国際アートセンターホール」と近畿最古の芝居小屋「出石永楽館」。チケットは1演目3000円、2演目セット5000円で発売中。
(Lmaga.jp)