八嶋智人「所属する劇団カムカムミニキーナが一番しんどい」
ひょうひょうとした存在感と小気味の良いトークで、舞台やドラマのみならずバラエティ番組でも活躍する俳優・八嶋智人が3日、所属する劇団「カムカムミニキーナ」の新作公演について大阪で会見をおこなった。
中学時代からの同級生である作家・演出家の松村武とともに、29年前に結成した同劇団。ホームだから安心できるかと思いきや「一番しんどい現場」と打ち明ける。
「(外の)仕事はオファーがあって行くから、どこかで『呼んだのはそっちですよね?』って気持ちがあるんです。でも劇団は己(の意志)でいるので『お前は邪魔』と言われたら・・・」と、責任感の違いを指摘。
「僕は中学の頃からあまり変わってなくて、松村は(僕を)見飽きてるので(笑)。毎回さらに面白くというか、役者的な強度を増幅させないといけないんです」と、劇団ならではの苦労を明かした。
にぎやかかつ神話的な世界のなかに、現実の社会問題を反映するのがカムカムの作風。本作は、日本書紀に登場する鬼神「両面宿儺(りょうめんすくな)」と「相撲」がキーワードだという。
「両面宿儺は悪者みたいに書かれてるけど、地元(飛騨地方)では英雄的な話もすごく残ってるんです。だから物事をどっちから見るか? 悪者を排除するとはどういうことか? ということを、改めて考えるような話になると思います」とスラスラ説明した後、「・・・まだ(松村が執筆中なので)台本見てないのに、ここまで話せるってすごくないですか?」と付け加え、記者たちを笑わせた。
本作『両面睨み節~相四つで水入り~』の大阪公演は、東京(11月14日~24日)を経て、11月30日・12月1日に「近鉄アート館」(大阪市阿倍野区)にて。料金は一般5000円、25歳以下3900円ほか、発売中。
取材・文/吉永美和子
(Lmaga.jp)