教員いじめ事件で揺れる神戸市 久元市長「平時の対応では間に合わない」
「神戸市立東須磨小学校」(神戸市須磨区)で起きた教員間いじめ事件について、神戸市の久元喜造市長は24日、「神戸市役所」(神戸市中央区)でおこなわれた定例会見で今後の対応策を発表した。
まずは、教育委員会をサポートする「教育行政支援課」を市長管轄下に11月1日付けで新設。また、これまで教育委員会下にあった文化財、博物館、図書館の行政を市長管轄下に移管するよう、条例改正などの整備を急ぐ。これは、教育委員会が学校現場の再生に集中できるようにする狙いだ。
10月17日に緊急開催された総合教育会議で、「学校現場と教育委員会の意思疎通ができていないことを改めて感じた」と久元市長。教育の権限はあくまで教育委員会にあるが、市長権限の範囲内でこうした異例の処置をおこない、改革を全面的に支援するという。
さらに、謹慎中の4人の加害教員が制度上「有給休暇」になっていることは市民の理解が得られないとして、給与を支給しないようにする条例改正案を10月28日に市議会に提出する。
公務員は地方公務員法で身分が保証されているため、条例改正は難しいのではないかと懸念もあったというが「それは平時の考え方。このようなおぞましい事案が起きたら、平時の対応では間に合わない。違法ではない、と考えて議会に提出する」と久元市長。前回の会見でも口にした「おぞましい」という表現を何度も用いて、事件に対する怒りをあらわにした。
今回のさまざまな取り組みを「全国初の事例か」「ほかの自治体ではどうか」と質問した記者らに対し久元市長は、「本当に短期間で進めたので、ほかの自治体のことまで把握していません。しかし前例があろうとなかろうと、やらなければいけないんです」と事件解明、教育改革に向けて決意を固めた。
取材・文・写真/合楽仁美
(Lmaga.jp)