役目を終えたレトロ建築が再生、旧網干銀行本店がレストランに
かつて港町として栄え、今も秋祭りがにぎやかな姫路西部の網干(あぼし)地区。そこには大正時代からの建築「旧網干銀行本店」(兵庫県姫路市)が静かに佇む。ここ数年、活用方法を模索していたこの建物が、修復を経て11月にレストランとして再生する。
この建物は1921年頃、「網干銀行」の本店として完成。銀行合併に伴う店舗移転の際、近くで服飾店を営む竹田宗之さんが買い取る。1970年からはその店舗として使われるも、店の移転により2015年に役目を終えた。
竹田さん自身も高齢となり、「建物の外観を生かしてくれる人に譲りたい」と考えるも年月が経ち、転機が訪れたのは2018年春。建物が売り物件になっているのを、姫路市の会社役員・鵜鷹(うたか)司さんがSNSで知る。「建物の壮大さに魅入られた」と、建物を買い取ることにした。
「網干が元気になるような活用を、という思いを受け継ぎ、ベーカリーレストランとして再生することにした」と鵜鷹さん。レンガ造りの外壁をそのまま室内の壁に生かし、銅製のドーム屋根に合わせて塩化ビニル製の排水パイプを銅製に変えるなど、少しでも建築当時に近づくようこだわった。
レストランのメインは、東京のパン屋で修業した20代のシェフによるパンとシチュー。マネージャーも20代で、若いメンバーが運営を担う。鵜鷹さんは「レストランだが、地域のみなさんにとって大切なこの建物を次の時代につなぐことが大前提。『老舗創生』を合言葉に、この建物に似合う料理や空間を若いスタッフで(再生ではなく)ゼロから作っていきたい」と話す。レストラン「旧網干銀行湊倶楽部」は11月中旬オープン予定。
取材・文・写真/合楽仁美
(Lmaga.jp)
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