宮藤官九郎が描く新作舞台「大河ドラマと対極にある世界」
松尾スズキ主宰の劇団「大人計画」内のユニット「ウーマンリブ」の新作舞台が、5年ぶりに今春上演。作・演出を手掛けるのは、大河ドラマ『いだてん』の脚本を担当した宮藤官九郎。1月31日に、大阪市内で記者会見がおこなわれ、本作の狙いを語った。
オリンピックに関わった歴代の日本人たちの姿を、約50年に渡って描いた『いだてん』。新作舞台『もうがまんできない』では、その反動からできるだけミニマムな世界にすると宮藤は言う。
「2時間のリアルタイム内で、その場にいる数人だけで、どれぐらいドラマを動かせるかという、すごく大河ドラマとは対極にある世界。しかも『なんでこうしたの?』と思うほど、全然動けないセットのなかで、(役者が)突っ立ったままでも成立する舞台にしたいです」と、その挑戦を語った。
中心となるのは、ネタ合わせ中にお互いの不満が爆発し、解散の話が出てきた芸人コンビ。その彼らに、さまざまなストレスを抱えた人たちが絡んだり、あるいはただすれ違うなかで、我慢できないことだらけな現代人の姿を、リアルかつ面白おかしく描き出す。
「みなさんわざわざ、ストレスのたまる生き方をしてますよね? 携帯電話の充電が切れてイライラするのは、携帯持ってるからじゃん! とか。そうやって『このストレスは何のせいだっけ?』というのに気づけたら、多少世のなかのストレスが解消されるのかなあ」と、一種のセラピーといえる会話劇になることを予告した。
芸人コンビを演じる要潤と柄本佑のほか、阿部サダヲや松尾スズキなど大人計画の俳優陣も出演。東京公演を経て、大阪は5月9日~21日に「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)にて。チケットは一般7500円、22歳以下3800円ほか、2月15日から発売。
取材・文・写真/吉永美和子
(Lmaga.jp)