アベノマスク不要なら回収「地元貢献の一環に」と新たな動き
新型コロナウイルス感染拡大による緊急経済対策の一環として、1世帯あたり2枚配布される布マスク。「必要あるのか」「先にやることあるだろう」など反対の意見が多いなか、「反対ばかりしていても仕方がない」と、不要なマスクを商品券と引き換えるサービスを大阪のパティシエが発表した。
「こんなに反響があるとは思わなかったので驚いてます」とは、大阪府和泉市の菓子工房「T.YOKOGAWA」のオーナーパティシエ・横川哲也さん。お店の公式サイトで4月17日に告知した直後から、一晩でさまざまな問い合わせがあったという。
「転売を疑われたり、フェイクニュースなの?と聞かれたり・・・。でも、僕ら商売人も何か行政に少しでも役立てばと思って」とその真意を話す。
「マスクの配布を反対してる声を聞きますが、決まったことは反対してもしかたない。大量のマスクを短期間で生産していただいた方々の善意を無駄にせず、何百億円も無駄にならないよう有効利用するため、僕らにできることを考えた」と、今回の取り組みを決めた。
緊急事態宣言が解除された後(注)、国から配布される2枚セットの未開封布マスクを店舗に持ち込めば、同店で利用できる300円分の商品券と引き換えるサービス。使い捨てマスクや布マスクを所有し、不要になる家庭もあると見越した企画だ。
「不要マスクをコンビニなどで受け入れるのも良いかもしれないけれど、見えない状態で集めるのは危険。うちなら対面で、チケットと手渡し交換なのでチェックもできる」と安全性の配慮も。
マスク自体の評判も良くないが、「医療に係る人に聞いてもあまり使えないとは聞きました。でも、100%は無理でも50~60%満たされるのなら我慢しましょうよ」と、集めたマスクは不測の事態を見据えて地元の医療機関に寄付するという。
「なにも全国から集めようとは考えてません。郵送は受け付けず店舗で。それと、話題になりすぎてお客さんが集まりすぎる状況は本末転倒なので、対策を考え状況に合わせ対応します」と、和泉市の本店と岸和田市の2号店の2軒でのみ交換を受け付ける。
「芸能人やスポーツ選手らはSNSなどを使って発信できるけど、自分らは商売をしているなかでできることを考えたい」と横川さん。「地元貢献の一環。これを機に、各地でも動いてもらって、いかに活用できるかアイデアを発信してもらえれば」と同業者らにも声がけをしているという。
各地でマスクの製造が活発化するなか、国から送付されてくるマスクをいかに活用するのか。各地で地元を支える動きに期待が寄せられる。
(注)反響の大きさから4月19日、回収時期を明確にしたとのこと。
(Lmaga.jp)