コロナ禍で緊張した日々に、心身を調える「坐禅」の動画配信…実践する和尚に聞いた

「コロナ疲れ」「コロナ飽き」とも言われるこの頃、坐禅体験の裾野を広げてきた僧侶が、自宅で坐禅を実践する動画「おうち坐禅のススメ」の配信を4月13日からスタートした。

坐禅はストイックでハードなイメージもあるが、日常に寄り添う革新的な坐禅スタイルの「イス坐禅」をはじめ、さまざまな坐禅体験を実践してきた羽賀浩規和尚(花園禅塾塾頭/臨済宗妙心寺派 蓮華寺住職)。10年以上にわたり、全国のカフェやギャラリーを中心にその方法や魅力を伝えてきた。

動画は「ギャラリーおとなり」(京都市南区)主宰のフォトグラファー・黒木康太さんとともに企画。光の陰影を考え、美しく撮影されており、見るだけですがすがしい。

「調身・調息・調心という3つの要素が大切です。坐禅の流れとしては、まず太極拳のムーブを取り入れた体操で身を伸ばす。次に、床に坐って足を組む、またはイスに腰掛けて、指1本ずつから順番に意識を向けて全身を1周し、正しい姿勢で坐る。それから気持ちいいと念じながらする呼吸の点検を。その姿勢のまま、静かに時間を味わう・・・という流れです」と、羽賀和尚は説明する。

時間や環境はその人のライフスタイル次第で。あらゆる媒体から離れたひとりの時間は、この心騒ぐ時期にこそ贅沢だ。妙心寺派の生活信条「一日一度は静かに坐って、身と呼吸と心を調える」の実践でもあり、コツをつかめば、あらゆる状況に応用が可能という。

実際に羽賀和尚の坐禅にかつて参加した人は、「スマホや音から離れた静かな時間が日常にないため、とても気持ちよく身があたたまるような感覚になった」、「ストレッチや呼吸法など、普段意識していない部分を使うのが新鮮だった」とコメント。「頭のごちゃごちゃしたものがすっきり晴れるような感覚があり、日々の集中力がとてもよくなったような気がする」と言う人もいた。

羽賀和尚は「たとえば日常の散歩にも、坐禅で得たエッセンスを使ってみてください。動く、止まるをバランスよく日常に取り入れて、少しでも心身を健全に保ち、緊張した世の中を乗り切っていきましょう」と、今だからこそ坐禅を提案する。

(Lmaga.jp)

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