オンライン宿泊などで「密」な思い出作り…広がるゲストハウス・ホステルの新たな試み
ゲストハウス・ホステルといえば、たまたま出会った人と一緒にご飯を食べたり、お酒を酌み交わしたり・・・。「密」な思い出が詰まった場所ともいえるが、新型コロナウイルスにより現在は余儀なく休業中。そんななか、危機をアイデアで乗り越えるゲストハウスやホステルが関西でも増加している。
和歌山県那智勝浦町のゲストハウス「ワイクマノホステルアンドカフェバー」では、Zoomを用いた『オンライン宿泊』を開催中。まるでゲストハウスに来たかのように、スタッフが旅館を案内したり、参加者同士で自己紹介して旅の思い出を共有したり、家にいながらも2時間で仮想旅行を楽しむことができるサービスだ。
5月14日時点で200人を超える客が参加しているという。この試みは、神戸・南京町にある「ゲストハウス神戸なでしこ屋」でも開催されており、徐々に広がりを見せている。
奈良県天理市にある「モリノゲストハウス」では、世界各地から集まった「天理大学」柔道部で稽古に励むアスリートたちが天理駅周辺の店舗を対象に、飲食店の料理を家庭に届けるサービスを5月11日に開始した。
配達するアスリートはオリンピックを目指してブルンジ(アフリカ)から来た選手などさまざまな経歴を持っているのだという。天理市では持ち帰りと宅配メニュー購入時に使える「天理おうちごはん券」を発行しており、その期間は配達代行も継続される予定。
京都のホステル「WeBase 京都」では、ラテン音楽を中心にしたダンス系エクササイズ「ズンバ」を1階のラウンジで開催。インストラクターが明るい音楽に乗せてダンスを繰り広げ、参加者はZoomで家から参加するというものだ。
現在レッスンができないインストラクターへの応援と医療従事者の支援をおこなっており、レッスン代500円のうち50円は同ホステルを通して「国立国際医療研究センター」または拡大防止活動基金に寄付されるという。そのほか、英会話レッスンやティーパーティーなど、オンラインを使った新しい取り組みに挑戦している。
コロナ渦で新しく立ち上がった取り組みから垣間見えたのは、大変な状況のなかでもお互い助け合う温かさ。ゲストハウスやホステル特有の「触れ合い」は今はまだ味わえないが、ぜひオンラインコンテンツに参加して、「行ってみたらどんなところだろう」と想像を巡らせてみてはいかがだろう。次の旅を計画するのが、より楽しくなりそうだ。
取材・文/小田切萌
(Lmaga.jp)