10万円給付を6月中に前倒し、神戸市がシステム本格稼働
神戸市の久元喜造市長は6月10日の定例会見で、神戸市における「特別定額給付金」の申請・給付状況を公表。6月8日現在、全世帯(約76万世帯)のうち、88.4%にあたる約67万件の申請を受け付けた一方で、給付率は16.4%(約11万件)にとどまっているが、システムの本格稼働が決まり、10日以降の給付は早まるという。
新型コロナウイルス感染拡大にともなう支援として、国民1人につき10万円が支給される国の「特別定額給付金」。当給付金は国の施策だが、申請・給付の事務は各自治体が担い、その労働力や人口規模によって給付スピードは異なることから、それぞれの地域はどうなのか気になるところだ。
神戸市が全世帯へ申請書の発送を完了したのは5月20日。冒頭にある通り、8日現在の給付率は16.4%にとどまっているが、久元市長は「当初は申請から振り込みまで1カ月半~2カ月かかると見込んでいたが、おおむね1カ月以内に短縮できそうだ」と発表。
6月10日には約7万5000件、以降は毎日約4万件の振り込みができる(土日は除く)ようになり、6月10日時点で申請受付が完了している人には、6月中の入金が見込まれるという。
給付までの期間が短縮された理由は、申請内容と住民基本台帳を照合するための電算システムの本格稼働。担当部署の尽力で予定より早く稼働開始できたことで、作業の大幅なペースアップが実現する。
久元市長は、「全国共通で住民基本台帳があり、国の給付金なのだから、本来は国がシステムを用意しなければいけない。しかし残念ながら、その開発は各自治体に任されている状況」と国に苦言を呈する一方で、「市民のみなさんの手元に早くお届けできるよう、引き続き全力で取り組んでいきたい」と力を込めた。なお公式サイトでは、申請者番号を入力すると、現在の進行状況を確認することができる。
取材・文・写真/合楽仁美
(Lmaga.jp)