密だけど…これは許す! ねこに囲まれるライブハウスの正体とは?

「密」に集まったねこたちに囲まれ、ステージで熱唱している女性の姿。9日、「ライブハウスごっこができる装置」のコメントとともに投稿されたツイートが、「にゃんコールだ!」「端っこで座ってんのもリアル(笑)」など3万超のいいねがつき話題に。

このノリノリのねこたちは、なんと全部木彫り。そのツイート主であり、海上自衛隊退職後に芸大を経て、現在は彫刻家として活動している兵庫県淡路島在住の花房さくらさんに、電話で話を訊いた。

──めちゃくちゃかわいいですね! みんなで手をあげて、ライブそのものですね。

実はこの27匹のねこたちは、UFOキャッチャーを模した作品の一部なんですよ。本当はクレーンに向かって手をあげてて。10日から始まった名古屋での個展でも展示しているんですが、作品搬入前に、数年前からの密かな野望を実現させたくて(笑)。

──密かな野望?

私、ライブハウスが好きで。数年前から、一度観客すべてが「ねこ」のステージに立ってみたかったんです。

──それは夢ですね・・・! 立ってみていかがでしたか。

ねこたちのリアルな目線を感じて、疑似体験できました。目線の高さに合わせて、スマホのセルフタイマーで自撮りしたんですよ。こだわりました。

──SNSですごく話題になりましたね。

予想以上の反響で驚いています。それに今はライブ自粛の大変な状況なので、全国のライブハウスに応援の気持ちを込めて、少しでも笑ったり、やる気を出してもらたらと。音楽関係者の方なども見てくれたみたいでうれしいですね。

──花房さんはねこ作品のみを作り続けていますが、その理由は?

何かひとつを極めるプロになりたいとの思いからです。毎日観察ができて、嘘がない作品にしたかったので、当初は飼い猫をモデルにしていました。

──ねこ作品作りでこだわっている点はありますか?

それぞれの個性が出るようなしぐさと表情。それにリアルな模様ですね。今回のねこたちは着彩前に模様をSNSで一般募集したら、200ぐらい集まりました。

──人間みたいに2本足で立つ姿が愛らしいです。

ねこが人間側に近い表現なのは、人もねこも同等の命を持っているというストーリーがあったりします。

──深いですね!ほかにも作品づくりで心がけていることはありますか。

鑑賞する芸術品ではなく、見た人が体験できる参加型作品であることですね。アイドルの握手会を参考にした7匹のねことハイタッチができる『high seven』や、ねこと足湯につかる風の作品など。目線があうので、ねこの仲間気分になってもらいたいという思いがあります。

実際の世界にないものも、彫刻になれば目の前に実在してくれる。そんな力があるのではないかと。

──今はコロナ禍で運営が難しいライブハウスなども、今回のように彫刻を通じて楽しく表せていますもんね。

コロナ禍以降、SNSで「作品の写真を毎日見て癒やされている」という声ももらえるようになりました。見る方が生活のなかで好きなものを見つけ、少しでも気持ちがあがるよう、作品がツールのひとつになればうれしいです。

花房さんは6月16日まで愛知「松坂屋名古屋本店」で個展を開催中。また、11月25日から大阪「阪神梅田本店」でも予定しているので、このねこたちに会いにいきたい。

取材・文/塩屋薫

(Lmaga.jp)

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