座るとヒンヤリするクールベンチ、高温対策に神戸市が設置
ここ数年、命の危険を感じるほどの暑さに見舞われる日本の夏。神戸市の久元喜造市長は7月9日の定例会見で、梅雨明けの猛暑に向けた異常高温対策を発表した。
新型コロナウイルス感染予防で「マスクの夏」となる今年。熱中症の多発が心配されるとして久元市長は「熱中症にならないための呼びかけのほかにも、屋外公共空間での高温対策を」と施策を説明した。
ルミナリエやファーマーズマーケットが開催される「東遊園地」(神戸市中央区)には、六甲山の間伐材を使ったベンチに、ミストや植栽、ライトアップを組み合わせた「ミスト広場」のほか、無料の給水ステーションを設置。
会見では、「飲み終わりのペットボトルに水を入れて、首に当てて涼を取ってもらえれば」と市長が使い方を提案する場面も。
そして1台だけの実験的な取り組みだが、座るとひんやりと感じる「クールベンチ」を設置。これは電気を流すと熱を移動させる「熱電素子(ねつでんそし)」を座面の下に敷くことで、冷たさを感じられるしくみだ。
「今年の結果をふまえて、来年度以降はもっとハード面の整備ができれば」と話した久元市長。「まだ具体的な計画はないが」としながらも「神戸は山から海にかけてなだらかな坂道の地形で、新神戸には水が湧いている。この地形を生かして水路を作ったりできないか」と、「里山好き」ならではのアイデアをふくらませた。
ミストなどは、7月下旬から9月中旬まで設置される予定。
取材・文・写真/合楽仁美
(Lmaga.jp)