AIが配車し送迎ルート決定、大阪市が新しい交通事業を検証
利用者1人ひとりの予約に対応する輸送サービス「AIオンデマンド交通」の社会実験をおこなうため、大阪市が民間からの事業提案を募集。7月30日の定例会見で大阪市の松井一郎市長は、「事業として成立するか検証したい」と語った。
今回検証する交通網は、従来の定時定路線型ではなく、利用者が乗車地と降車地を予約するとAIがリアルタイムに配車を決定する新しい輸送サービス。乗客用アプリで呼び出すと自動で配車とルートを決定し、ある程度の人数を最適ルートで送迎する小型バスの運行をイメージしているという。
この取り組みに対して大阪市の松井一郎市長は、「利用客が多くないために1時間1本程度のバスで市民の足を確保しているエリアがある。また、路線バスでは短距離にも関わらず何度も乗り換えしないといけないことも。利用者が発着場所を決められるオンデマンド交通があれば便利」と、期待を寄せる。
今後、8月3日から31日まで応募を受け付け、提案された社会実験の内容は9月から順次公表。ほかの交通事業者からの意見も募り、道路運送法で規定されている「地域公共交通会議」を経た後、2020年2月頃から順次社会実験が開始される予定とのこと。
募集に対し松井市長は、「オンデマンド交通が民間事業として成立するのか否か、これを検証するのが今回の社会実験の役割。民間の技術と知恵で、今までにない新たな交通システムを提案していただきたい。これからの少子化、超高齢者化社会でのスマートシティを目指す交通体系を作りたい」と語った。
取材・文・写真/岡田由佳子
(Lmaga.jp)