「もったいないパン」お取り寄せ 大阪・人気パン屋によるフードロスへの取り組み
人気ブーランジュリー「パンデュース」(大阪市中央区)による、売れ残ったパンをお取り寄せできる「もったいないおまかせパンセット」が話題に。お得に買えるのはもちろん、フードロスに関する取り組みとして注目を集めている。
国産の小麦や、農家から届けられる旬の野菜や果物など原材料にこだわる丁寧に焼き上げる同店は、本店の淀屋橋をはじめ、JR大阪駅、新大阪駅、大丸心斎橋店で展開。
「駅の構内やビジネス街など、買い物の帰り道や会社帰りに立ち寄るエリアであれば閉店間際まで、お客様がパンを楽しく選べるよう、売り切れないように作っているため、どうしてもロスが出てしまう」と米山雅彦シェフは話す。
そのため、フードロスに対する取り組みを約1年前から考えはじめ、2019年にプロトン冷結機を導入。電磁波で細胞の破壊を防ぎ、急速凍結できることで、解凍したときのおいしさを実現できたため、「もったいないセット」を今年の4月から開始。お客に理解してもらえるよう会員登録制の予約注文スタイルを設けた。
食パンをはじめ、ハード系、惣菜系などバリエーションを意識した詰め合わせは、「コロナウィルス感染予防の自粛期間とも重なって一時はサーバーがパンクするほど、問い合わせがありました」と人気に。近隣の人だけでなく遠方からも注文が入り、多いときでは1日50件、現在も日々予約が入って日曜以外はほぼ毎日配送している。
また、新型コロナウイルスの影響も大きく受けたことから、「このご時世、店舗での販売は弱くなってきていますね。うちの立地は、コロナの影響で大打撃を受けました。外出を控えられる方も多くパンの販売スタイルも変わってくると思います」と、これを機に通販を充実させていくという。
「もったいないパンセット」の料金は3500円(送料別)で、約5000円以上のパンが詰め合わせられている。ほかにも「家で焼き上げるドゥミバゲット」6本入り960円や、「パンデュースの食パン食べ比べセット」6種2140円、夏に向けてアイスパンサンドなども販売予定。
取材・文/いなだみほ
(Lmaga.jp)