絵画と陶磁器の名品126点、華麗なるリヒテンシュタイン侯爵家の至宝展
オーストリアとスイスに挟まれた小さな国家・リヒテンシュタインから、絵画と陶磁器の名品126点が来日。『ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展』が「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)で1月30日よりおこなわれる。
リヒテンシュタインの広さは、日本の瀬戸内海に浮かぶ小豆島と同程度。世界で唯一、君主の名前が国名になっていることで知られる。君主のリヒテンシュタイン侯爵家は12世紀から続く名門で、1719年に国家として独立し、その後ドイツ連邦に加わった時期もあるが、1866年に再び国家として独立した。永世中立国で軍を持たず、隣国のオーストリア、スイスと密接な関係を保つことで独自の地位を築いている。
侯爵家は世界屈指の美術コレクションを有することで知られており、本展ではそれらの作品が紹介される。絵画は、秘蔵のルーベンス、ヤン・ブリューゲル(父)、クラーナハ(父)を含む北方ルネサンス、バロック、ロココなど。陶磁器はウイーン窯を中心とする。その優れたコレクションを見れば、ヨーロッパ貴族の華麗な宮廷文化が窺えるだろう。期間は3月28日まで、料金は一般1500円。
文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)