仏教美術を通して「戒律」の発展ををたどる、国宝や重要文化財も多数展示

日本仏教における「戒律」の歩みをテーマにした展覧会『鑑真和上と戒律のあゆみ』が、3月27日より「京都国立博物館」(京都市左京区)で開催される。

戒律とは、僧俗の守るべき倫理基準(戒)と、僧侶のあるべき姿(律)を示したもの。日本に戒律をもたらしたのは、奈良時代に唐から来日した鑑真だ。彼は東大寺に戒壇を整備し、唐招提寺を拠点に律の教えを日本に定着させた。

平安時代には最澄と空海が戒律を継承・発展させ、最澄の思想は鎌倉時代の法然、親鸞、日蓮に受け継がれる。鎌倉時代は戒律運動の最盛期となり、覚盛、叡尊、凝然が活躍。近世には明忍や慈雲などが大きな役割を果たした。

本展では、天平時代の優れた写実表現として知られる国宝『鑑真和上坐像』をはじめとする、国宝や重要文化財も多数展覧。『興正菩薩(叡尊)坐像』の彫像や、鑑真の来日を描いた『東征伝絵巻』、法然生涯を綴った絵巻物『法然上人絵伝』、名僧の肖像画、仏具などの仏教美術の名品を通して、戒律の発展と変遷をたどる。また、現代の彫刻家・薮内佐斗司が制作した『凝然国師坐像』が特別出品されるのも要注目だ。期間は3月27日から5月16日まで、一般1800円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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