フランス彫刻家・フランソワ・ポンポンの日本初回顧展、作品に宿る命に触れる

『フランソワ・ポンポン展~動物を愛した彫刻家~』が、「京都市京セラ美術館」(京都市中京区)で、7月10日より開催されている。

フランスを拠点に活動した彫刻家、フランソワ・ポンポン。回顧展として、まとまった作品数が展示されるのは本展が日本初となる。約90点の作品で構成された本展では、下積み時代の初期作品から晩年の確立されたスタイルまでをたどることができる。

最初の展示コーナー「彫刻家をめざして」は、ポンポンがサロンに初出展した『D氏像』からスタート。動物の彫刻で有名なポンポンだが、当初は人間をモチーフにしていた。リアルで質感が感じられる人物像は、後に評価を受ける動物像と比較してみても面白い。

続く「動物彫刻への目覚め」コーナーからは、いよいよ動物の彫像が増えていく。動物を描くにあたり、ポンポンは何度も動物園に通い観察を続けた。「ポンポンが訪れるだけで動物が駆け寄ってくることもあった」というエピソードもあるほど。いかに動物を愛し、動物に愛された作家であったことがうかがい知れる。

そして、ポンポンを語る上では外せない「シロクマ」シリーズ。ポンポンを有名作家にまで押し上げたシロクマは、足のわずかな開き具合や大理石やブロンズといった素材の違いなど、同じモチーフでありながら作品ごとに違った表情を見せる。

展示を通し「ポンポンスタイル」ともいえるなめらかで洗練されたフォルムが確立されていく様子をたどれる本展。中でも、シロクマシリーズは180度どの角度からも楽しめるように展示されているので、細部に宿ったこだわりをじっくり眺めてみては。期間は9月5日まで、一般1800円。

取材・文・写真/つちだ四郎

(Lmaga.jp)

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