昔、教科書で見たことある…!古都・京都が誇る国宝の数々が一堂に
7月24日より「京都国立博物館」(京都市東山区)で開催される特別展『京(みやこ)の国宝』。京都に伝わる国宝の数々が一堂に会し、その素晴らしさと文化財保護の意義を再確認できる絶好の機会となる。
日本では、特別に優れた美術工芸品や文化財を、国宝、重要文化財に指定して守り伝えてきた。現時点の総数は、国宝が897件、重要文化財が1万808件(令和3年3月段階)。その約6分の1以上が古都・京都にある。
本展の展示作品はバラエティに富む。たとえば絵画では、俵屋宗達の『風神雷神図屏風』。誰もが教科書で見たことがある名品であり、海外でも広く知られた名作だ(展示期間:8月24日~9月5日)。彫刻では、東寺(教王護国寺)の『梵天坐像』(通期展示)、書跡では、藤原道長の日記『御堂関白記』(前期と後期で巻を変更して展示)などが展示される。
考古資料・歴史資料では、征夷大将軍の坂上田村麻呂の遺品とされる『山科西野山古墳出土品のうち金装大刀』などがずらりと並び、観客の目を楽しませてくれる。ほかにも、皇室ゆかりの至宝が出展されるなど、要注目ポイントが目白押しだ。
本展は、いわゆるオールスター展覧会であり、誰が見ても文句のつけようがないと断言できる。また、これだけの宝物が一堂に会する機会はきわめて稀であり、その意味でも見逃せない展覧会と言えるだろう。名品を守り伝えてきた人々の努力にも思いを馳せつつ、日本の美の精華を堪能したい。期間は9月12日まで、一般1600円。
文/小吹隆文(美術ライター)
(Lmaga.jp)