菊地成孔ら「ジャズ」のラインアップが充実、秋のビルボードライブ大阪

本格的な秋の到来を迎える10月の「ビルボードライブ大阪」(大阪市北区)は、とりわけジャズのラインアップが充実。その幕開けを飾る「ナベサダ」こと渡辺貞夫やスーパー・ドラマーの神保彰といった日本のジャズ/フュージョン界を牽引してきた問答無用の大御所たちから、ワールドワイドな活躍を続ける鬼才キーボード奏者のBIGYUKIをはじめとする近年のハイブリッドな新世代ジャズ隆盛の担い手まで。多彩な顔ぶれが並ぶ充実したラインアップのなかから、3組をピックアップして紹介していく。

■ 「日本式の集中力で奏でる即興」菊地成孔 林正樹 DUO plus10月12日に登場するのが、文筆家としても活躍を続けるサックス奏者・菊地成孔とピアニスト・林正樹によるデュオ。エレガントかつ刺激的な現代ラテン・ジャズを展開する「菊地成孔とぺぺトルメントアスカラール」でも長く共演を続けてきた両者だが、今回は完全即興とスタンダードのハーフ&ハーフによる、シンプルかつ静謐なセットを予定しているとのこと。

20代の気鋭の女性ベース奏者として注目を高める小西佑果も加わり、菊地がかつてピアニストの南博と録音したアルバム『花と水』の「茶道/華道/俳諧といった日本式の集中力で奏でる即興」をこの三者でおこなうとのことで、リラックスしつつ『花と水』の発展型と呼べるサウンドを堪能したい。

【日時】10月12日(火)・1stステージ15時半~/2ndステージ18時半~ 【料金】6500円(1ドリンク付、飲食代別途)

■ 「ピアノ・パーティがより奔放かつパワフルに」国府弘子 スペシャル・トリオ13日には、今年にデビュー35周年を迎えたピアニスト・国府弘子が登場。ジャズを主軸としながらも、クラシックやラテン音楽、洋邦のポップスの名曲に至るまでとあらゆるジャンルを弾きこなしてきた彼女だが、2020年にリリースした5年ぶりのアルバム『ピアノ・パ-ティ』はそんな彼女の多彩な魅力が楽しく凝縮された内容となっている。誰もが知るクラシックやJ-POPの名曲から、バンドネオン奏者・小松亮太をゲストに迎えてのピアソラのナンバー、そしてメロディ豊かな自身のオリジナル曲まで。

今年で結成23年目を迎えたベース奏者・八尋洋一とドラマー・岩瀬立飛とのスペシャル・トリオに、今回はアルバムにゲスト参加したボーカリストの露崎春女をゲストに迎え、カラフルな「ピアノ・パ-ティ」で示した境地をより奔放かつパワフルに表現したステージとなるだろう。

【日時】10月13日(水)・1stステージ15時半~/2ndステージ18時半~ 【料金】サービスエリア7000円、カジュアルエリア6500円(1ドリンク付、飲食代別途)

■ 「日本発のジャズの可能性を体感」渡辺翔太トリオ feat. 井上銘&MELRAW21日に「ビルボードライブ大阪」に初登場となるピアニスト・渡辺翔太は、名古屋と東京を拠点に活動しながら流麗かつ現代的なアプローチの演奏で高い評価を集めてきた新世代ジャズ・シーンの注目株。

音楽ユニット・モノンクル『世界はここにしかないって上手に言って』のレコーディングに参加し、自身のリーダー作もこれまでに2枚発表している彼だが、今回は若井俊也(ba)と石若駿(dr)という若き名手たちとの強力トリオに、ギタリストの井上銘とサックス奏者のMELRAWも加わって、現在進行形の日本のジャズ・シーンのこれからを担う重要プレイヤーが一同に会した豪華な顔ぶれを実現。

ニューヨークやロンドン、あるいは躍進を続けるイスラエル勢などが示すジャズの最先端の動きともリンクしながら、独自の方向性を模索する日本発のジャズの可能性を体感させる音に期待したい。

【日時】10月21日(木)・1stステージ15時~/2ndステージ18時~ 【料金】5900円(1ドリンク付、飲食代別途)

文/吉本秀純

(Lmaga.jp)

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