第5波コロナ患者を分析した神戸「94.5%がワクチン未完」
新型コロナウイルス感染症の第5波の患者を対象に、ワクチン接種の有無を神戸市が分析。2回の接種を完了した場合、感染・重症化ともに高い有効性があることを、10月6日の市長定例会見で発表した。
分析の対象は、第5波(7月1日~9月13日)に陽性が確認された7596人。2回目のワクチン接種から2週間経過後に陽性となったのは全体の5.5%(416人)で、残り94.5%は、2回の接種が完了していない、または2回目接種から2週間経っていない「接種未完了者」だった。
重症者を見ると、全体で92人のうち「接種完了者」は4人(4.3%)。その4人全員が60歳以上かつ喫煙者で、うち3人は基礎疾患があった。
一方で、若い世代で重症化した人のうち20代・30代の8人は全員、基礎疾患も喫煙歴もなし。しかし、彼らを含む全員が「接種未完了者」だった。
会見でこの報告をした久元喜造神戸市長は、「ワクチン接種が、感染予防と重症化予防に有効なのはデータから明らかではないか。(効果を)理解したうえで、1人ひとりの判断で接種していただきたい」と述べた。
10月5日現在、神戸市のワクチン接種実績は1回目が70.6%、2回目の接種済みが60.7%で、接種を希望する人にワクチンが行きわたるよう、同市は接種体制を拡充。
ひとつは、公共交通が利用しにくい里山・農村エリアで接種会場に行くのが困難な人に対し、医師・看護師・スタッフがワゴンカーで地域を訪問して接種する「こうべワクチンカー」を11月中旬から開始る予定だ。
もうひとつは、「神戸市役所」(神戸市中央区)の24階に開設している「夜間接種会場」の時間拡充。現在は仕事帰りに立ち寄りやすいよう平日の夜6~9時に開設しているが、11月4日からは、これに「木・金・土・日・祝の昼1時半~夕方5時」が加わる(木曜・昼帯は接種に配慮が必要な人の専用枠)。
取材・文・写真/合楽仁美
(Lmaga.jp)