「有線イヤホンを使ってる人は…」偏見ツイートが波紋、しかし若年層では意外なブームの兆し
4月中旬、「ワイヤレスイヤホンをしていない人は厄介」といったツイートがSNS上で波紋を呼び、賛否両論に。イヤホンの種類で人を判別することは言語道断だが、実際のイヤホン事情は昨今どうなのか? 専門店をたずねて調査をおこなった。
件のツイートでは、有線イヤホン使用者について「完全な偏見だけど」としつつ、「新しい物を嫌う」「ITリテラシーが超低い」「わずかな音ズレも許せないゲーマー」と主張。この意見は極端すぎるものの、確かに街行く人も多くがワイヤレスイヤホンを装着しており、有線イヤホンを装着している人を見かけることが減ったように感じる。
有線イヤホンは売れているのだろうか? また、今有線イヤホンを購入するひとはどのような意図なのか? 昨今のイヤホン事情について、イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン大阪日本橋本店」(大阪市浪速区)の芝 英明さんに話を訊いた。
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──最近はイヤホン使用者のほとんどがワイヤレスイヤホンを使っている印象があります。お店での売れ行き傾向はどうでしょうか?
最近の売り上げの傾向としては、ワイヤレス7割、有線が3割ほどです。人気があるのはワイヤレスのなかでも「完全ワイヤレス」といわれる、イヤホンの左右がケーブルでつながっていないタイプですね。
──やっぱりワイヤレスイヤホンのほうが売れているんですね。
はい。でも、「充電が煩わしい」「(完全ワイヤレスは)ケーブルがなくて紛失することの不安」から、有線イヤホンに戻している方も最近は多く見受けられます。使いたいときに使えないのは困るので・・・。
──なるほど。確かに完全ワイレスイヤホンがブームになってからは駅のホームで線路に落としてしまうなどの事故も問題になっていますよね。ほかにも有線イヤホンを購入される方には、どのような方がおられますか?
意外なところでいうと、ファッション感覚でデザイン性の高い有線イヤホンを購入する若い方も多いですね。
──一部海外セレブの間でも流行になっていると聞きます。もはやファッションアイテムなんですね。
音楽や映像制作をする方も多いです。ワイヤレスではどうしても発生する音と絵のズレが有線にはありませんし、好みの音質のものを探しやすいんです。ケーブルが着脱できるモデルであれば、ケーブルを社外品に換えて音質の違いを楽しむこともできるので、音にこだわりたい人におすすめしたいのは断然有線です。
──ケーブルで音質が変わるなんて、奥が深いですね!
そして有線イヤホンは、1000円以下のものから50万円するものまで幅広い価格帯があります。反対に完全ワイヤレスイヤホンなら3000円~5万円ほどの価格帯なので、比較的安価にそれなりの音質のイヤホンがゲットできます。
──「音質」へのこだわりがポイントなのはもちろん、使用用途や好みなども重要なんですね。一概に「有線イヤホンだからダメ、良い」ということはないと。
そうなんです。「自分の好みの音が分からない」という方もいらっしゃると思いますが、さまざまなイヤホンを聴き比べてみると、自分の好みが分かるようになると思います。ケーブルの有無もひとつの選択肢にはなりますが、「低音が強め」「高音がキラキラしている」といった音のキャラクターや、使うシーンで決めるのもおすすめです。私もワイヤレスイヤホンと有線イヤホン、両方使っていますよ。
──どちらも上手く使うともっと音の世界が楽しくなりそうですね。
自分のライフスタイルに合わせて、聴いた瞬間に楽しく感じるモデルを選んでもらえたらと思っています。当店は2万5000点以上の商品を取り扱っているので、気になるイヤホンがあれば、ぜひ店でスタッフに声をかけてください。
──ありがとうございました。
「e☆イヤホン大阪日本橋本店」の営業時間は朝11時~夜8時。場所は大阪メトロ・堺筋線「恵美須町駅」から徒歩3分。
取材・文/野村真帆
(Lmaga.jp)