「わざとなのか?」ネットをざわつかせた大阪の「ヒロポン酢」、製造元に真相を訊いた
先日、ある商品名がSNSをざわつかせた。その正体は『ヒロポン酢』。名前の通り、鍋料理やサラダと相性ぴったりな調味料・ポン酢だ。しかし、インパクト大な商品名とどこか懐かしいパッケージに、『サザエさん』や『はだしのゲン』にも登場する危ないクスリ「ヒロポン」を想起しギョッとしてしまう人も多かったようだ。
そこで公式サイトの商品説明を確認してみると、「社名の『HERO』+『ポン酢』で『ヒロポン酢』に決定。名前のインパクトは強烈ですが、それに負けない圧倒的な味、香りのよさから来る中毒性を持つ商品です」とのこと。
ではあの「ヒロポン」とは無関係ということ? でも偶然かぶることはあるんだろうか・・・とどうしても気になる。「ヒロポン酢」を開発し、内職加工業や就労支援施設を営む「HERO」(大阪市東住吉区)の取締役営業部長・平井太郎さんに真偽のほどを確認してみた。
■ 「『ヒロポン酢』という名前はすぐに決まった」
──今回SNSを中心に「誰も止めなかったのかな・・・」「分かっててやってる?」など話題になっていましたが、確かにかなり攻めたネーミングだと感じます。意識されたのでしょうか?
いえ、ヒロポンと結びつける意図は一切ありません。あくまで「ヒーローポン酢」を略して「ヒロポン酢」となりました。ほかに名前の候補もなく、決定しました。
パッケージも最近の昭和レトロブームを意識し、どこか懐かしさを感じさせるデザインにしています。年配の方には懐かしさを、若い方には新鮮味を感じていただければ。
──ではあのヒロポンを意識しているわけではないんですね? そもそも「ヒロポン酢」はどういった経緯で生まれたのでしょうか。
弊社は就労支援施設を運営しており、ずっと利用者の方々にゼロからモノを作ることで「働く喜び」と「自信をつけていただきたい」という思いを抱いていたんです。そんななか利用者さんと交わした「おいしいポン酢知ってる?」という会話をきっかけに、「ポン酢作りならその思いが叶うかもしれない」と感じ、プロジェクトがスタートしました。
梱包や発送などの作業も施設の利用者さんとおこなっていく予定ですので、「ヒロポン酢」をご購入いただくことで、利用者さんの社会復帰への支援にもつながります。
──どうしても商品名に目がいってしまうのですが、そんな背景があったとは。ちなみに、お味も普通のポン酢とは違うのでしょうか?
はい、味は我々が1番自信を持っているポイントです。徳島県産のゆずとすだちに、「幻の果実」と称されるレアな柑橘類・ゆこうを使ったポン酢です。
製造時に使用する鉄製の窯も年代物で板厚の厚いものを使用しておりまして、窯の分厚さのおかげで、熱を加えた後にゆっくりとポン酢が冷えていき、味の深みや旨味が生まれます。
──4月からはクラウドファンディングサイトで先行販売をおこなっていましたよね。購入された方からの反響はいかがでしたか?
実際にご購入いただいた方からは「とてもおいしい!」と味の面で高く評価をいただいており、特にこだわった味を褒めていただきうれしかったです。
もちろん、SNSで話題になっているようにパッケージやロゴにも力を入れました。プレゼント用として購入してもらったり、使用したあとの瓶をオブジェに利用していただくのもおすすめですよ。
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ウワサの「ヒロポン酢」は7月1日に発売スタートするとのこと。値段は、3本セットで7500円。
取材・文/つちだ四郎
(Lmaga.jp)