フランス語圏のビョーク? 鬼才クロ・ペルガグ、関西で初ライブ 『スキヤキフェス』大阪初開催

フランス語圏のビョークまたはケイト・ブッシュ? クロ・ペルガグの音楽を短い言葉で説明し尽くすのはとても難しいが、近年に登場したフランス語ポップスの音楽家のなかでは群を抜いてユニークな存在であることは間違いないところ。

日本随一のワールド・ミュージック・フェスである富山の『スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド』の招聘で2017年に初来日を実現させ、期待を上回る鮮烈なステージで圧倒した彼女が9月1日、「梅田クラブクアトロ」(大阪市北区)でおこなわれる初の『スキヤキ・オオサカ』のメイン・アクトとして、関西初公演を実現させる。

■ 多様な人物から影響を受けた、不思議な音世界1990年生まれ、フランス語を公用語とするカナダ東部・ケベック州を拠点に活動するクロ・ペルガグ。2012年にデビューし、2013年に初のアルバム『怪物たちの錬金術』を発表した。余談だが、本作の輸入盤は日本のなかで「タワーレコードNU茶屋町店」だけで局地的に異例の好セールスを記録し、海外の発売元レーベルの担当者がそれに驚いて連絡してくるほどだったという。

影響を受けた人物として、ダリやマグリットといったシュールレアリズムの画家、現代音楽家のドビュッシー、シャンソンの才人ジャック・ブレル、そしてフランク・ザッパやキング・クリムゾンといったロック界の鬼才の名を挙げるクロ嬢が奏でる音世界は、確かにそれらからの影響を独自に統合したような新感覚のチェンバー・ポップと呼ぶべきもの。

基本的にはピアノの弾き語りを中心としたメロディアスなタッチながらも、室内楽的なアンサンブルとめくるめく曲展開、凝った作りのMVからも伝わってくる可憐さとシュールさが同居した歌詞が、彼女ならではの不思議な世界へと引き込んでいく。

コンサートでもかぶり物や不気味なステージ装置などを配置し、一筋縄ではいかない個性を放つ彼女のライブ・パフォーマンスのインパクトの強さは、先に触れた2017年の初来日公演でも実証済み。

弦楽トリオも加えた変則的なバンド編成で、曲ごとにピアノ、ギター、オルガンなどと楽器をチェンジしながら歌った奔放なパフォーマンスは、アートワークにも凝ったCDとはまた違った突き抜けぶりをフルに発揮したものだった。

■ オープニング・アクトのマリアナ・バラフも必見2020年に発表した3作目の『悲しみの聖母』では、アナログ・シンセなども多用してさらに進化した境地を示していた彼女だが、今回初となる大阪を含む5年ぶりの再来日公演は、映像も駆使しながら現在おこなわれているカナダ・ツアーと同じ編成/セットで臨むとのことで、楽曲面でもステージング面でもよりスケールアップして圧倒させてくれるだろう。

また、オープニング・アクトを務めるアルゼンチンのマリアナ・バラフも、新世代フォルクローレの筆頭格として高水準なアルバムを連発しながらキャリアを重ねてきた実力派。『スキヤキ・オオサカ』の幕開けを飾るにふさわしいフランス語圏と南米の2才媛によるアクトは必見だ。日時は9月1日・夜7時半開演。料金は前売6000円、当日6500円(ドリンク代600円別途必要)。

文/吉本秀純

(Lmaga.jp)

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